大相撲の大関霧島(28=音羽山)が、ボクシング井上尚弥のTKO勝利に刺激を受けて、時津風一門の連合稽古で23勝2敗と、圧倒的な存在感を見せつけた。

7日、東京・両国国技館の相撲教習所で行われた、所属する一門の連合稽古に参加。一門の番付最高位とあって、大トリで土俵に入ると連続で25番取った。鋭い踏み込みからの寄りや押し、さらには投げも駆使して、関取衆8人を相手に西前頭筆頭の大栄翔に2敗した以外は全て勝った。

内訳は大栄翔に6勝2敗、関脇若元春に7連勝、東前頭10枚目で一門外の湘南乃海に3連勝、東前頭7枚目の錦木と西前頭9枚目の正代に2連勝、一門外で東前頭14枚目の竜電と東十両5枚目の輝、さらに新入幕で東前頭15枚目の時疾風の3人とは1番ずつ胸を合わせて退けた。

先場所から痛めていた首も復調している。この日は左肩にテーピングを施して稽古したが、師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)は「首からきているものかと心配したけど、治療してもらったら『首ではない』ということで、本人も安心していた。(テーピングは)念のため」と説明。霧島も「首の痛みは良くなってきて、痛み(痛む箇所)が下がってきている感じ。自分から当たる相撲を取ることができるようになったかな。そこまで思い切り当たることはできていないけど、ちょっとずつ戻していきたい」と、手応えを感じている。

夏場所(12日初日、両国国技館)に向けて、8、9日は時津風部屋を候補に出稽古し、最終調整に入る。2度目のかど番で迎えるが「明日(8日)は30番取りますよ!」と、現役屈指の猛稽古を誇るだけに、スタミナは問題なし。痛めていた首を気にして相撲を取る悪癖を取り除き、まずはかど番脱出。その先に優勝争いに絡むことを見据えている。