サッカーの北海道女子リーグが4日、札幌サッカーアミューズメントパークで開幕した。昨季の入れ替え戦で、なでしこリーグ2部から降格、10年ぶりに参加したノルディーア北海道は0−0で北海道大谷室蘭高と引き分け、勝ち点1のスタートとなった。

「もう少し」が、時間経過とともに増えていった。後半、途中交代でフレッシュな選手を3人ピッチに送り込んだ北海道大谷室蘭に対し、ノルディーア北海道はスタメンの11人が90分走り続けた。控えのフィールド選手はU−15(15歳以下)の中学生だけ。1点を争う展開で、ピッチに入れるタイミングはなかった。「(終盤になって)コンディションが厳しい選手はいましたが、(スタメンで)やりきらせないといけなかった」と米山隆一監督(55)と、苦々しい表情で試合を振り返った。

降格の結果、引退や移籍で5人がチームを去った。新入団選手は1人。ケガなどのために、ちょうど11人で遠征したこともあった昨季と同様に、台所事情は苦しい。昨季までのなでしこ2部では相手の攻撃力が強く、守備的な戦いを余儀なくされたが、今季は逆に守備的な相手を崩す戦術への転換も必要だ。「今日はまだ(攻撃と守備が)うまくかみ合わなかった。(攻撃的な戦術を)経験できていない選手が多いので、これから」と、指揮官は次戦以降の変化に期待を寄せた。

DF登録ながら得点能力を見込まれ、前線を走り回ったFW井久保茉桜主将(30)は「やっぱり全員が(なでしこ2部に)『戻らないと』と思っています。人数は少ないですけど、全体的に若返ったという部分を前向きに取って、全員で明るく元気にやっていきます」と、笑顔で今後の意気込みを話した。