<高円宮杯U−18プレミアリーグWEST:帝京長岡3−0鹿児島城西>◇6日◇第5節◇長岡ニュータウン運動公園サッカー場

 

帝京長岡は3発快勝で鹿児島城西を破り、ホームで2連勝を飾った。3勝2敗で勝ち点を9に伸ばし、4位に浮上した。前半19分、FW新納大吾(3年)がMF和食(わじき)陽向(1年)のスルーパスに抜け出し、左足で先制点を挙げる。その後はロングボールを多用する相手に押し込まれたが、DF山本圭晋主将と、GK小林脩晃(ともに3年)を中心に跳ね返し続け、後半の追加タイム1分に途中出場のMF和田陸(3年)、1分後にFW安野匠(3年)がともに左DF池田遼(3年)のアシストから連続ゴールを奪い突き放した。

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自陣から長い距離を走ったレフティーが貴重な追加点を決めた。和田は1−0の後半追加タイム1分、右サイドを全速力で駆け上がって池田の左クロスを受けると、1トラップから利き足と逆の右足をシャープに振り抜きゴールネットを揺らした。「最初は左足に持ちかえようと思ったけど、そこで奪われたカウンターを受けると思ったので振り切った。入って良かった」と貴重な追加点を冷静に振り返った。

この日はベンチスタート。チームは前半19分に新納の得点で先制するも、その後はロングボールを放り込む相手に押し込まれた。後半10分から投入された和田は「まずはプレスバックを意識した」と自陣まで戻って守備を助け、攻撃では対峙(たいじ)する相手のタイミングをずらすような左足パスと個人技でリズムを作った。「流れを変えたかった。自分がボールを受けて起点になれるようにと考えた。少しは貢献できたと思います」。

チームは2年前の「MIZUNO CHAMPIONSHIP U−16」で日本一を経験した世代で、自身はMVPに輝いた。だが、その後はトップチームに定着できず、現在も同じ左利きの和食らと右MFの定位置を争う。「いいライバル関係。日々の練習から全力で取り組み、スタートから(試合に)出たい」と話す。

攻撃センスはピカイチ。さらに飛び抜けたゲームメーカーになるため、現在は運動量アップに取り組む。高強度の全体練習参加後、選手寮で夕食をとって再びグラウンドに戻りスプリント強化に励む。日々の努力が詰まったこの日の1得点だったが、「チームに必要とされる絶対的な選手になりたい。課題は多いし、攻撃力ももっと向上させたい」と満足はしない。

プレミアリーグ初参戦の帝京長岡はホーム3戦全勝。順調に勝ち点を積み上げる。次節12日は敵地でファジアーノ岡山U−18と対戦する。2試合連続ゴールを狙う背番号8は、「先発から途中出場かは分からないが、自分の良さを出してチームの雰囲気を良くしたい」とアウェー初勝利貢献を誓った。【小林忠】

○…強力2トップが1ゴールずつを挙げ、ともに通算4ゴールで得点ランク2位につける。先制点の新納は「相手をかわして冷静に左足を振り抜けた」と話し、ラストワンプレーでダメ押し点を決めた安野は「ゴールは狙い通り。次節で2点決めて得点ランクトップに立ちたい」と意気込んだ。

○…センターバックで相手の攻撃を跳ね返した山本主将は「押し込まれる中、失点0で終えられたことは収穫だが、ゲームの入り、進め方など課題も多い。強度の高いリーグ戦。ピッチ外の過ごし方、食事のとり方なども各自で見直し、一週間をコーディネートする力も高め合っていきたい」と話した。