<明治安田J1:G大阪1−0C大阪>◇6日◇第12節◇パナスタ

リーグ戦では19年5月以来、10戦ぶりとなるガンバ大阪の大阪ダービー勝利は、負傷離脱した仲間への思いが結集されたことも力になった。

4月28日の鹿島アントラーズ戦で負傷したDF三浦弦太(29)が、右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂、右ひざ内側半月板損傷と診断され、長期離脱することになった。その三浦への気持ちが、選手とスタッフ、サポーターをひとつにさせた。

試合前のロッカールームで、主将のFW宇佐美貴史(32)は「今日こそ勝って、弦太に勝利をプレゼントするぞ」と声出しをし、選手入場時には三浦の背番号である「5」のシャツを着用して入場。前半28分にゴールを決めた宇佐美は、得点を祝った後に右手を広げ「5」の数字を作り、胸に当てた。

三浦の離脱後にセンターバックで出場するDF福岡将太(28)は「弦太くんは僕たちにとっても大きな存在。そういう存在に対して感謝、思いを込めた試合になったのですごく良かった」。MF鈴木徳真(27)も「弦太くんが苦しい、悔しい状況で試合を見なきゃいけないというのはあったと思うけど“これが自分のいるチームだ”っていうプライドが持てるようなチームになれればいいと思っている。助けられた分、僕らも支えていければ」とピッチでのプレーで三浦を励ましていく考えを口にし、それをプレーでも示した。

タイムアップのホイッスルと同時に、メンバー外だった選手もスーツ姿でチームメートと抱き合い、チームが一丸となった姿を見せたG大阪。その中には何度も力強くガッツポーズをし続ける三浦の姿もあった。ヒーローインタビューを受けていた宇佐美を抱きしめた三浦は、マイクを手にしてこの日誕生日のエースに「貴史おめでとう!」と絶叫。サポーターにも元気な姿を見せた。

弦太のために−。その気持ちでもぎ取ったダービーでの勝利は、上位浮上のきっかけとなる。【永田淳】