東京ヴェルディの城福浩監督(63)が、FC町田ゼルビア戦の大敗を今後へのターニングポイントとするとともにリベンジを誓った。

YBCルヴァンカップ3回戦のサンフレッチェ広島戦(22日、味スタ)に向けた会見を20日、東京・稲城市のクラブハウスで実施。19日の第15節で、昨季のJ2でしのぎを削った町田に0−5という惨敗を喫した。衝撃から一夜明け、質問は次戦よりもチームを今後どう変えていくのか? といったことに集中した。

城福監督は「昨日の負けを経験した翌日が変わらなかったら、このクラブは何も変わらない。ある意味、今日のチャンスを逃したくないという思いで朝、来ました」。練習前にミーティングを実施した。

そしてスタッフ、選手に熱く「この大敗をターニングポイントにしよう」とゲキを飛ばした。まずは自身を含めたスタッフに、そのベクトルを向けた。

「今日からの取り組みが変わらないといけない。その前にスタッフがまず変わらないといけない。かなり話し合いました。我々が日本一のトレーニングと胸を張れる準備をしたのか。そういうアラートさを出したのか。スタッフにも厳しく、今までの仕事ぶりというか振り返ってもらって、我々が変わらないと選手も変わらない。我々に甘さがある。選手は我々の鏡なので。町田の選手にできて、我々にできてないというのは、我々スタッフができていないということなんです。ここが上回らない限り、リベンジはできない」

そして練習に取り組む姿勢、意識の変化を求めた。

「ウォームアップの次のパスアンドコントロールの集中のさせ方から含めて、そこの甘さが徹底をさせきれないというか。そこの現象にいたっている。すべてにおいてコーチングスタッフも選手も意識も変えるところがまず一つです」

加えてトレーニングの1つ1つのプレーの基準を上げることをテーマに掲げる。

「我々が普段やっている水準の高さによってよりいい判断ができる。そこはスタンダードを上げることが大事。練習のパス1本のところに対しても選手にストレスがかかるかもしれない。それが習慣になれば、我々も指摘することがなければストレスがかかることもない。習慣になるまでアプローチする。それをできなければ変われない」

自分の言動が問われている。そう実感している。

「おそらく選手は僕を見ています。このチームがどうなっていくんだろう? くらいの大敗なので。不安感を持っている選手もいるだろうし。こっから先、どうチームを導いていくか、自分の手腕が問われるとこかなと思っています」

そして選手の関わり方にも言及。矢印を自分に向けるチーム、そして意見交換ができるチームへの成長だった。

「大枠のチームのやり方の中での自分が何をできたか、という見方でもいい。あの失点シーンで自分が何をできたかでも。矢印がしっかり向くこと。それをオープンにというか、お互いに向けた上で意見を出し合ったり、間違いを出し合ったり、鼓舞したり、一皮むけたチームメートの中での付き合い方ができればいいかな。そこは土壌です。僕はこの機を逃したくないので。若いチームだからこそ、この大敗というのはいろんな動揺がでるので、ある意味チャンスだと思って。一つひざを付き合わせる距離が近くなるチームになれるように過ごさせたい」

昨季はJ2で優勝を争った町田とは今季の成績を見れば、大きく水をあけられた。現時点での差は認めつつも、次回の対戦でやり返す意欲を口にした。

「相手は優勝争いをするバジェット(予算)のクラブだから、我々はどういうレベルをの争いをするクラブだからと、果たして我々はそういう思考をするのか、と選手には問いかけました。我々は何を目指すのか、昨日の試合のリベンジをしなくてどうするんだと。その気概は今日から持ち続けなければいけない」

2カ月後の7月14日、ホーム味の素スタジアムで次の対戦が待っている。