◆ロッテ2―4ソフトバンク(23日、ZOZOマリン)

 どれだけの人が知っていただろうか。23日のロッテ戦で史上206人目となる通算1500試合出場を達成した今宮のプロ初出場が、試合途中から一塁守備に就いて記録されたという事実をだ。

 今宮は2013年から17年までの5年間、パ・リーグの遊撃手としてゴールデングラブ賞を受賞し続けた。18年以降は西武の源田にその座を譲っているが、球界を代表する遊撃手の一人であることには変わりない。そんな名手の〝第一歩〟が一塁守備だったとは。意外だった。

 さて、肝心の試合は打線がロッテ佐々木から7回までに3点を奪い、今季初黒星を付けてみせた。中でも、2点を先制した4回は徹底した攻撃が繰り返された。放った3安打はいずれもフォークボールを捉えたもので、その全てが中堅から逆方向への打球だった。

 結果論かもしれないが、好投手攻略の基本とされる「中堅から逆方向」への打撃を徹底できたことがチームの勝利に直結した。その起点がこの回先頭で1500試合出場を達成した今宮の右前打だったという巡り合わせが、何だか面白い。

 「1打席目は三振だったので、食らいついていこうと思った結果が右前打になった。勝ちにつながる1本になって良かった」。今宮は自身のメモリアルデーでの安打が難攻不落右腕攻略の糸口となったこともあり、満足そうに球場を後にしていた。(石田泰隆)