◆明治安田J1第11節 福岡1―0G大阪(3日、ベスト電器スタジアム)

 来日から2カ月。イラン人初のJリーガーが衝撃を与え続けている。J1福岡のシャハブ・ザヘディが約70メートルのロングシュートを決めて5戦ぶりの白星をもたらした。

 この試合は「アビスパにわか祭り」と題して初観戦の来場者を歓迎するイベントを開催。今季初の1万人超の観客が集まった。まさに「にわか」でも、すごさが分かる驚異のゴールだった。

 前半22分に右サイドからの相手スローインを奪った松岡大起からボールを受けると、左足でゴールめがけてロングキック。「試合中、常にGKの位置は見るようにしています」。このボールが前に出ていた相手GKの頭を越えてワンバウンドでゴールに吸い込まれた。来日から8戦6ゴール。簡単なシュートは1本もない。

 「信じられないようなゴールだった」。驚きのゴールをたたえた長谷部茂利監督は「先制する前の20分ぐらいは(相手の)ワンサイドゲームだったですけど、あそこでシュートを打たせない。守備としては機能していたのが、今日のゲームのポイントになりました」と組織的な守備を高評価した。

 終盤はG大阪の猛攻に遭ったが真骨頂の体を張った守備で1点を守り切った。主将の奈良竜樹は「これだけ全員がハードワークして1点を守り切れるチームはそんなに多くないと思う。こういう勝ち方ができるのは誇りに思っていい」と胸を張った。次の試合、6日の川崎戦も「アビスパにわか祭り」。連勝で「にわか」の心をつかむ。(向吉三郎)