◆ロッテ6―1西武(7日、ZOZOマリン)

 一つのプレーで均衡が崩れた。0―0で迎えた5回2死一、二塁。ソトをライト方向のフライに打ち取ったが、風速12メートルの強風で打球が押し戻された。いったん後ろに向かおうとした右翼の若林楽人があわてて駆け寄ったが間に合わず、走者一掃の三塁打。先発のボーが毎回走者を置きながら粘っていただけに、痛恨の2失点に若林は悔しさを募らせた。

 ZOZOマリン名物の強風はこれまでも多くの選手を泣かせてきた。6日には初回にソトの右翼方向への打球が風に乗って伸び、先制2ランになっている。それでも赤田将吾外野守備走塁コーチは「全部含めた上でひと言言うと力不足です」と言い切る。「確かに難しいでしょうけど、不細工でもなんでもいいから捕るのがプロ。(打球から)目を若干切ったとしても、そこから切り返して何とか捕るという結果を出さないと。しょうがないという言葉で終わらせられない」とげきを飛ばした。

 最下位に低迷する重圧からか、チームは全体的に拙攻だけでなく守備や走塁でのミスも相次いでいる。松井監督は「ミスが悪いとは思わない。僕もいっぱいしてきたし、誰もがミスをする」とかばった上で「悔しいと思わないと成長しない。取り返すチャンスはまだまだある」と奮起を求める。

 赤田コーチも「1軍でやる以上、チャンスで回ってきたらプレッシャーもある。そのプレッシャーに勝ちながら結果を出すしかない。こっちも引っ張るけど、自分で何とかという思いがないと変われない。そこは全員だと思う、きょうはワカ(若林)が出ましたけど」と求めた。負の連鎖を乗り越え、どう取り組むか。育成を掲げる西武にとって、まさに「やる獅かない」状況だ。(末継智章)