サッカー天皇杯の出場権を懸けた福岡県選手権の決勝が12日、福岡市のベスト電器スタジアムで開催され、J3ギラヴァンツ北九州が福岡大に4―0で快勝した。敗れた福岡大の橋本悠(4年)は手痛い敗戦を受け止め、来季加入が内定しているJ1アビスパ福岡での飛躍を誓った。

 キャプテンマークを巻いて悔しさをかみしめた。格上のプロとの対戦とはいえ、4点差での黒星に、橋本は「相手のうまさ、強さに圧倒された試合だった。完敗でした」と肩を落とした。

 前半21分に先制され、その4分後にも追加点を許す苦しい展開からの巻き返しを図るため、ボランチの位置でスタメン出場した橋本は中盤の右サイドに配置転換された。「自分のところで落ち着きをもたらして、攻撃に行くぞ、という狙いだった」。橋本からの正確なクロスやセットプレーで相手ゴールを脅かしたが、得点には届かなかった。

 既に福岡の特別指定選手として、YBCルヴァン・カップでデビューを飾った。その一戦にセンターバックで先発出場したように、複数のポジションをこなせる万能性も大きな持ち味だ。

 福岡はリーグ戦の直近8試合を負けなし(3勝5分け)で9位につける。橋本は「いい守備から能力のあるFWのカウンターで点を取っている。自分が入れば確率の高いクロス、セットプレーやロングスローで貢献できると思っている」とイメージを膨らませている。

 今後は福岡大を主戦場としながら、J1デビューを見据える。「この試合の経験を糧にして、大学では圧倒的な差を見せて、自分の存在価値を示したい」。成長著しい21歳の志は高い。(松田達也)