青森県八戸市を拠点に走るオーナーの第伍一誠丸は、本誌2010年5月号で、本格的なレトロスタイルを披露したダイナベースの傑作レトロアート車。その後、箱3面ペイントの描き換えをはじめ、大幅なリニューアルを展開し、より魅力的な姿へと進化を遂げた。

実は箱2面に描いた「波絵+美人画」は、映画『トラック野郎』シリーズの出演車でもある八戸の名車・第七港町急送の箱絵を縮小再現したもの(色もそのまま。本人の認可も得ている!)。しかも作者は、当時、第七港町急送の箱絵を担当したエサシカデザイン。約35年の時を経て熟成したいぶし銀の筆描きは、記憶だけを頼りに描いたという偉業で、往年のファンの感涙を誘う。

一方、キャデラックタイプに変更したフロントバンパーや、丸パイプ素材のキャブハシゴ(助手席側の曲げ加工が見どころ!)、菱チップをあしらったコの字型ミラーステー(撮影後にトラス式に変更)など、キャブ回りでも積極果敢なアートアップ&リニューアルを展開。取材後は各種アンドンを本格的なレトロ仕様(板の裏面から筆書き)に順次変更中で、煙突マフラーを装着する予定もあるという。みちのくを代表する存在感ヘビー級の注目車だ。

【写真6点】名車のDNAが息付く。

カミオン2012年2月号トップアートをもとに再構成