原子力規制委員会の新たな委員に就任する地震学者の山岡耕春さん(65)が抱負を語りました。

原発再稼働の判断や事故発生時の対策策定などを専門的知見に基づき行う原子力規制委員会では、5人の委員のうち2人が9月に任期を迎えます。

新たに就任する予定の地震学者で名古屋大学名誉教授の山岡耕春(やまおか こうしゅん)さんと放射性廃棄物に詳しいカナダ・マクマスター大学教授の長崎晋也(ながさき しんや)さんが、業務の引き継ぎのため18日付で参事に就任しました。

山岡さんは日本地震学会や地震予知連絡会の会長などを歴任してきた地震学・火山学の第一人者です。

元日の能登半島地震では、再稼働審査中の志賀原発がある石川県志賀町で震度7を観測し、外部電源の一部が喪失したり、土砂崩れなどで周辺住民の避難ルートが寸断されたりしたことから、全国で原発の再稼働をめぐる不安の声が高まっています。

17日も豊後水道を震源とする地震があり愛媛県と高知県で震度6弱の揺れを観測するなど各地で大きな地震が相次ぐ中、山岡さんは「日本はどこにいても地震の揺れに注意しておかないといけない。きちんとその場所ごとのリスクを評価していく」とし地震が起きたときにはそこから知見を得ていくことが大事と話しました。

そして「科学的・技術的にきちんとした審査を進めていくことには変わりない」と抱負を語りました。

山岡さんと長崎さんは9月19日に委員に就任する予定で、長崎さんも後日、報道陣の取材に応じるということです。