独自取材でニュースを深掘りする新コーナー「シンソウ」。初回の4月2日は、「ながら運転」の危険性を取材しました。

真新しいランドセルを背負った新一年生に。新生活をスタートさせた社会人など。新年度が始まるこの時期、不慣れな環境では、ドライバーも歩行者も交通事故の危険性が高まります。

◆横断歩道にて
「横断歩道がある所、左手に歩行者がいたので、必ず一時停止お願いします」
「わかってます。間に合わなかったんです」
「免許証お願いします」
「危ない!自転車と衝突しそうになった」

中でも、近年、増加傾向にあるのが…。

(奥原怜奈記者)
「スマホやナビなどを見て運転する「ながら運転」。ドライバーはきちんと運転に集中できていますか」


「ながら運転」は、わずかな時間でも、前方の安全確認がおろそかになり、悲惨な交通事故につながる恐れがあります。

「ながら運転」が原因の重大事故件数の推移です。件数は2021年以降、3年連続で増えていて、全国では2023年の1年間に122件と、統計の残る2007年以降、最多となりました。岡山県では、過去10年間で7人が死亡、17人が重傷を負っています。

(岡山県警交通機動隊 太田万琳巡査)
「慣れない道を通っている時のナビの使用、直線道路、急ぎの仕事の用事などで連絡があった時、携帯電話の使用が散見される」

(取り締まり光景)

警察庁などによりますと、スマートフォンの画面を見ていたドライバーが前方の危険に気付くのに、2秒以上かかると言われています。この2秒の間に、時速40キロで走っている車は約22メートル進んでしまうのです。

その間に、もしも、歩行者が道路を横断していたら…
渋滞などで前の車が停止していたら…。

ほんの一瞬の油断が命にかかわる「ながら運転」。改めて、ドライバー一人一人の安全への意識が求められます。

(岡山県警交通機動隊 太田万琳巡査)
「運転しながらのスマホの使用は、前方注意が散漫になり追突事故といった重大な事故につながりやすい。運転中の携帯電話の注視や、通話、取り締まりを強化して、事故のない岡山県を目指します」

4月6日から15日までは春の全国交通安全運動が行われます。ドライバーも歩行者も交通ルールを守り、事故を防ぎましょう。