上がり続ける介護保険料。自治体ごとに違う理由や今後の見通しについて、専門家に聞きました。

4月の改定で、65歳以上の高齢者が支払う介護保険料は、全国平均が6225円と過去最高になりました。

(まちの声は…)
「苦しいです。物価が高騰しているなか、大変」
「上がりすぎだと思うけど、使う人がいるからしょうがない」

介護保険料の支払いには、40歳から64歳までの現役世代と65歳以上の高齢者の2種類があります。このうち65歳以上の保険料は、市町村ごとに介護サービスの使用状況や高齢者の数などによって決められ、3年に一度、改定されます。

(岡山県立大学保健福祉学部 現代福祉学科 岩満賢次教授)
「地域の格差が大きくなってきていて、(市町村の)介護サービスの総量と負担する金額のバランスが悪くなると必然的に保険料は上がっていく」

市町村別に見てみると、岡山市や津山市は据え置きですが、総社市で10.5%、香川県でまんのう町で6.2%上昇するなど、市町村によってばらつきがあります。

(岡山県立大学保健福祉学部現代福祉学科 岩満賢次教授)
「今後下がることはないと思う。一回下げてしまうと次に上げるのが難しくなるので、基本的には据え置いて、貯蓄していくと思う」

高齢化社会で介護サービスのニーズが高まり、上昇し続ける介護保険料金。将来的に、サービスが受けられる被保険者の対象が狭められる可能性もあるそうです。

(岡山県立大学保健福祉学部現代福祉学科 岩満賢次教授)
「今後は軽度者や非該当者を介護保険から切り離して、市町村独自で地域と一緒にやっていく体制に移っていくと考える」

介護保険に頼りすぎない地域の仕組み作りが結果的に介護保険料を抑えると岩満教授はいいます。

(岡山県立大学保健福祉学部現代福祉学科 岩満賢次教授)
「市町村が地域で健康づくりができる体制を作っていくことが大事。地域の力をもう一度とらえなおしてやっていくことが大事」