【大分】大分市のJR大分駅府内中央口広場に面した末広町1丁目に建設される県内最高層のタワーマンションの起工式が17日、現地であった。注目される県都の一等地での大型再開発事業が動き出した。地権者でつくる組合は2027年末の完成を目指している。
 事業区域は駅とセントポルタ中央町などの商店街をつなぐ中心市街地。地元の地権者らでつくる「末広町一丁目地区市街地再開発組合」(河野茂喜理事長、16人)が再開発を進めてきた。
 県内で最も高い27階建てマンション(217戸)を中心とするA街区(敷地面積約2930平方メートル)と14階建て高齢者向け分譲住宅(72戸)などのB街区(同840平方メートル)に分けて整備。両街区合わせた総事業費は194億円。両街区合わせて27年末の完成を目指している。
 この日は解体工事が完了したA街区の起工式があり、関係者ら約80人が出席。神事で安全祈願をした。
 河野理事長(77)は「安全に工事を進めてもらい、大分市のランドマークになってほしい」とあいさつ。来賓の足立信也市長が「市の顔になることは間違いない。市としても可能な限り支援してきたい」と述べた。
 同組合によると、27階建てマンションは販売価格1億円を超える物件もあるという。1、2階部分には飲食店などの出店を見込んでいる。

<メモ>
 末広町の再開発は、大分駅一帯の整備に合わせて1995年に地権者らが議論を始めた。2011年に協議会、14年に準備組合を設立。19年には大分市が高層建築を可能にする都市計画を決定。21年に発足した現組合は昨年5月、県から、土地や建物の所有権を組合に移す認可を受けた。