大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜 後8:00 NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、源雅信を演じる益岡徹の声を紹介する。

――源雅信を演じて
源氏として平安中期から末期、ずいぶん貴族階級が没落したりとか武士階級が起こったり、藤原氏には大きく水をあけられたんだけれども、そのすぐあとに連想するのが、『平家物語』の祇園精舎の…っていうね。そういうのをすごく連想してね。しかもそれが現代の社会にも転換できるといいますかね。それがおもしろいなってつくづくやっぱり思いまして、役として少し出し抜かれる源氏のでも位は高いんですけど、その役をやっただけでそれを感じられたっていうのは、すごい収穫だったと思います。

――雅信の最期
最期、婿殿(道長)に対して見方によっては皮肉なことを言うんですけれども、あれも本当はそうしたかったけど、その出発点は娘かわいさの発想ですしね。そのことを思ったときに「俺はお前のことは反対だったんだ」っていうことをせめて伝えるっていうのが、かえって2人にとって結果よかったんじゃないかなっていうね。だからその辺の書かれ方も見事だなっていうね。多少錯乱しているっていうふうな解釈ももちろんできるんですけれども、家族を大事に思った人間なんだなっていうのをすごくい感じました。

ですからその言葉と裏腹に最期、手をぐっと握れたっていうのがすごくよかったと思うし、いろいろそういう意味で勉強になりましたね。生き方の問題として、あの死に方はどう考えても幸せですしね。みんなに見てもらって。

――雅信の家族について
表の顔と家族でも顔っていう分け方をしたとしたら全然違う表れ方をしているっていうのがね、面白いですよね。奥さんを大事にして、娘に弱くてっていうね。それがとても現代的につながるものがあるんだなっていうふうに本当にやりがいのある家族の一員になれたという、なんというかな…、「こうあったらいいだろう」と、どんな時代でもこういうふうに夫婦関係と親子関係があればいいんじゃないかって。問題は起こるんだけど、それをなんとか解決していくみたいなそういうことはね、できることはすごくいいなと思いました。