松居大悟監督の映画『不死身ラヴァーズ』(5月10日公開)の主題歌「君はきっとずっと知らない」のミュージックビデオ(MV)が公開された。MVの映像は、松居監督が撮り下ろし、映画スタッフも集結。キャストの佐藤寛太&青木柚が劇中の役柄で登場するばかりか、原作者の高木ユーナ氏も出演している。

 主題歌は、シンガーソングライターの澤部渡によるソロプロジェクト、スカートが担当した書き下ろし楽曲。松居監督といえば、クリープハイプのMVを手がけたり、昨年公開されたスピッツのライブを描いた映画『劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro』の監督も務めた。

 今回のMV制作について松居監督は「漫画から始まったものが台本になって映画になって、そこにスカート・澤部さんが音楽という彩りを加えてくれました。そうなると、主題歌のミュージックビデオは、漫画から始めたかった」と経緯を語っている。

 その言葉どおり、MVは、原作者の高木氏が深夜のファミリーレストランで、イラストを描く様子から始まる。描いているのは、ファミリーレストランで楽しそうに会話をするじゅん(佐藤)と田中(青木)。イラストのように、じゅんと田中は時間を忘れて会話を楽しみ、用事があって急いで立ち去るじゅんを、田中が店の外まで見送る。その後、田中の回想とともに『不死身ラヴァーズ』の本編映像の一部が映し出されていく…。

 撮影されたのは今年の3月。「どんな暗闇だって、必ず朝が来るような、そんな想いをお手伝いできたら」という松居監督の想いから、都内のファミリーレストランで深夜から朝方まで撮影された。佐藤と青木は撮影当時の初夏の衣装(半袖)を着ており、さらに映画の撮影から数ヶ月経過して撮影に臨んだが、それを全く感じさせない演技が見事だ。

 そして高木氏にもサイドストーリーが。イラストを描く彼女を見つめるのは、なんとスカート・澤部。ファミリーレストランの店員役で出演している。MVに登場するイラストは、高木氏が撮影中と撮影の合間にじゅん、田中、そしてスカート・澤部を描き上げたという。

 見どころは、なんといっても映画『不死身ラヴァーズ』の裏ストーリーとなっているところ。松居監督いわく「映画を見た後に見ると、より味わい深いものになっている」とのことだ。

 同映画は、高木氏の同名漫画(講談社「別冊少年マガジン」所載)が原作。映画では、好きになる・なられる男女の2人の関係性が入れ替わっている。“運命の相手”と信じるじゅんと両想いになった瞬間、じゅんがこの世界から忽然と消えてしてしまうという出来事を繰り返す、りの(見上愛)。2人は人生の中で何度も出逢い、その度にりのは「好き」と伝え、両想いになり、じゅんは消えてしまう。それでもあきらめないりののどこまでも真っすぐな「好き」が起こす奇跡の結末とは――。