■『Yogibo presents RIZIN.46』(29日・有明アリーナ)
 メインイベントのフェザー級タイトルマッチで、王者・鈴木千裕に敗れた挑戦者・金原正徳が、試合後インタビューで鈴木との大一番を振り返り、「勝ちたかったなぁ」と思わず本音を漏らした。

 勢いに乗る24歳の若き王者と、41歳にして強さを更新し続ける挑戦者。2人の試合は鈴木の強烈な打撃をいかに金原がかいくぐって寝技に持ち込むかがポイントと見られていたが、金原の警戒を強引に吹き飛ばすほどの強烈なパンチを浴びせた鈴木が、見事に勝利した。

 会見場にサッパリとした表情で登場した金原は「最後のつもりでリングに上ったし、この1年で3試合をやってケガもいろいろあるので、ちょっと長期休暇を取ります。それでまたやりたくなったらやればいいし、求められなければそのままだし。気持ちはそんな感じです」と引退ではなく“休養”を宣言。

 鈴木の打撃について「強いのはもちろんなんですけど、自分のやりたいことができなかった。それをさせなかった鈴木千裕のうまさもあるけど、手詰まりになって、打ち合いをさせられたというか飲み込まれてしまった。ガードの上からでもパンチを効かされた」と衝撃を語った。

 試合までの準備期間を含めて冷静に振り返るなかで「自分なりに一生懸命にやってきたので、この結果だろうが下を向かずに明日からも生きたいなと。負けるのは初めてじゃないし、ここまで頑張った自分を褒めてあげたい」と手応えを明かす一方、「最後にベルトを取りたいという思いが強かったんですよね」と話したところで「勝ちたかったな」と心の声がマイクを通して伝わった。

 この試合に向けた動画では、10歳の息子も登場していた。この日の家を出る直前、「大事な話がある。勝負の世界は勝つこともあるし負けることもある。でも精一杯やっていれば誰かが見てくれる。だから、パパの頑張ってる姿をちゃんと目に焼き付けてくれ」と息子に話していた。

 そして会場で試合を見ていた息子に向けて「良いことばかりじゃない、負けを教えるのも教育だと思うし、それでも明日からも頑張る姿っていう、良くも悪くもおやじの背中を見せられたかなと思います」と最後は父親の顔をのぞかせた。