■『Yogibo presents RIZIN.46』(29日・有明アリーナ)
 メインイベントのフェザー級タイトルマッチで、“最強の挑戦者”金原正徳にTKO勝利し、ベルト初防衛に成功した王者・鈴木千裕が、試合後インタビューで喜び以上に「俺が見たい景色はこんなもんじゃない、まだ満足してないし納得してない。もっと上を目指して世界へ連れて行く」とさらなる渇望を訴えた。

 勢いに乗る24歳の若き王者と、41歳にして強さを更新し続ける挑戦者。2人の試合は鈴木の強烈な打撃をいかに金原がかいくぐって寝技に持ち込むかがポイントと見られていたが、金原の警戒を強引に吹き飛ばすほどの強烈なパンチを浴びせた鈴木が、見事に勝利した。

 リングで対峙した金原について「ベテランのオーラや圧力がすごくて、目に見えない戦いがあった。お互いに一歩も出せない読み合いの戦いが長くなって、来ないはずのものを予想してしまったり葛藤があった」と押される部分もあったが、若さと勢いを込めたパンチで、強引にねじ伏せた。

 次に見据えるのは、「日本のRIZINを世界のRIZINに変えること」。そのために、パトリシオ・ピットブルが持つBellatorフェザー級のベルトを「奪いに行きます」と敵地へ乗り込んでチャンピオンになることを宣言。さらに、7月28日の『超RIZIN.3』への参戦にも意欲を示した。

 その前に、6月23日にKNOCK OUTのリングで師匠の五味隆典とのボクシングマッチが控えている。金原を倒して一つの時代を変えたが、「五味さんとの試合は時代を変えるっていうより、五味さんの格闘技の歴史を僕の体の中にすべて入れ込みたいんです。練習と試合では学べるものが全く違って、僕は金原さんからリングでしか学べないものを教えてもらって。だから、天下無双の稲妻ボーイを引き継いだ僕が、五味さんのすべてをリングの上で学ばないといけないんです」と並々ならぬ決意を述べた。

 金原戦を解説していた朝倉未来が、「試合は100点、試合後のマイクは30点」とコメントしていたことを聞かされると、「それが天下無双の稲妻ボーイでしょ。良いじゃないですか、勝ったんだから。アンタにできんのかよ、これは俺しかできないんだよ」と笑顔でアンサーした。