夜な夜な韓国愛を持つものの前に現れるという居酒屋『マキ食堂』の扉。
中では女主人のワタナベマキさんが韓国料理を作っていて……!?
ワタナベさんがゲストと一緒に韓国への“ときめき”に酔いしれる連載!

第2回は韓国ドラマや映画、そして韓国そのものを深く愛する女優のともさかりえさん。
韓国にハマるきっかけとなった作品『愛の不時着』への熱い思いの丈を語っていただきました。

ゲスト
ともさかりえさん
1979年生まれ。92年、俳優としてデビューした後、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。2021年に自身のアパレルブランド『MY WEAKNESS』を立ち上げ、新作が発売されるたびに即完売となり話題となる。出演作の映画『四月になれば彼女は』が現在全国ロードショー。


『愛の不時着』

事故で北朝鮮に不時着した財閥令嬢と、彼女をかくまうエリート将校の恋愛物語。
自らの手で人生を切り開いていく女性の姿を描く。

寡黙な主人公を演じるヒョンビンとは?

2003年のデビュー後、『私の名前はキム・サムスン』や『シークレット・ガーデン』など数々のドラマや映画に出演。
ラブコメからアクションやファンタジーまで、幅広い役をこなす演技派。
2011年には最も訓練が厳しい海兵隊へ入隊したことから「男の中の男」と国中から褒め称えられた。
『愛の不時着』で共演したソン・イェジンと結婚し、一児の父でもある。

Netflixシリーズ『愛の不時着』独占配信中

主役たちのイチャイチャもいいし脇役の細やかな描写にキュン!

ワタナベさん(以下W):りえさん、いらっしゃいませ〜! 今日は、ふたりで韓国ドラマのお話をしたいんです。

ともさかさん(以下T):お招きありがとうございます。ぜひお願いします!

W:りえさんは、韓国ドラマがお好きと聞きましたが、どんな作品が好みですか?

T:私は『愛の不時着』が大好きで、この前6回目を観たところなんです(笑)。

W:おおー、ヒョンビンですね。どういうところがりえさんの心にささったんですか?

T:最初は主役のソン・イェジンに惹かれて。でも同じく主役のヒョンビンとの距離が近くなっていく感じがすごく良くて、細やかに描いてくれているな、と。ふたりがイチャイチャするシーンもすごく好きです。

W:わかります。あのヒョンビン演じるリ・ジョンヒョクはいい。いざっていうときに必ず助けに来てくれる!

T:そう! どんな時でもどんなところでも守ってくれる。すごく完璧でかっこいいのに、なんだかちょっと笑えるところもありませんでしたか? バイクで追いかけてきてくれるシーンは『やっぱり、きたー!』って。

W:うんうん! かっこよすぎて笑っちゃう要素はあるかも。ちょっと抜けているところもあったりして、お茶目なキャラだったしね。

T:アロマキャンドルを持って探しにくるシーンも好きです。あのキャンドル、買っちゃった。そして夫にやってもらった(笑)。

W:あのキャンドル持ってるなんて最高!

T:で、余計なことを言わないところがいい。それってパートナーとして大事な要素だなぁって思います。

W:確かに! それはすごくわかる〜。今日は、そんなリ・ジョンヒョクが作っていたククスを真似してみました。

T:ソン・イェジン演じるユン・セリに作ってあげていたあの麺ですね! うれしい!

W:北朝鮮だからなのか、ソウルのククスと違ってお味噌を入れて仕上げるんです。

T:すごく素朴でおいしい。この作り方を付箋に書いて冷蔵庫に貼ってくれるジョンヒョクも優しくてよかったですよね。

W:前半と後半できちんと繋がりがあって。ジョンヒョクは本当にいい男。ちなみに、北朝鮮で近所のお母さんたちがジョンヒョクに差し入れたチヂミも作ってみました。じゃがいもだけなんですよ。

T:外が香ばしくて、中はもっちりでこちらもおいしい! あのお母さんたちもいいですよね。どのキャラクターにも愛がある作品だと思います。役者をやっていると、脇役が丁寧に描かれている作品に出合うと嬉しくなっちゃうんです。

W:なるほどー、役者さんならではだね。どんな人物に対しても、きちんと背景を描いてくれていると観ている側も楽しいし。

T:そういう丁寧さと、「こうなってほしい」を叶えてくれる展開がいいな、と。それにいちいちキュンとしたり涙したり。

W:だから何回も観ちゃう、と(笑)。私もまた観たくなってきちゃいました。

T:ぜひ。そしてまたお話ししましょう〜!

ワタナベさんの愛しの一皿
「野菜のカルグクスとじゃがいものチヂミ」

野菜のカルグクス(2人分)
1. たけのこ(約100g)、にんじん(1/2本)は細切りにし、玉ねぎ(1/2個)は縦薄切りにする。生の韓国赤唐辛子(1/2本)は斜め切りにする。

2. 鍋に1の野菜、つぶしたにんにく(1片)、煮干しだし(2と1/2カップ)、酒(大さじ1)、みりん(大さじ1)、ナンプラー(小さじ2)を中火にかける。煮たったらアクをとる。ふたをして弱めの中火で5分ほど煮たら味噌(大さじ1)を加える。

3. 乾麺うどん(150g)は袋の表示時間通りに茹でて冷水にとり水気をよく切る。2に加えひと煮立ちさせる。

4. 器に盛り、細切りにした薄焼き卵(1個分)をのせる。

じゃがいものチヂミ(約6枚分)
1. じゃがいも(3個)は細切りにする。

2. 1に薄力粉(大さじ3)と水(大さじ3)、塩(小さじ1/4)を加え混ぜる。

3. フライパンにごま油(大さじ2)を入れ中火にかけ、お玉1杯分の2を入れ軽く押さえながら焼く。

4. 焼き目がついたら裏返し、弱めの中火にして6〜7分ほどカリッと焼く。

5. 玉ねぎ(1.5cm大角切り1/3個分)、黒酢(大さじ1と1/2)、砂糖(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1と1/2)を合わせ、4をつけて食べる。

ともさかさんからのお土産!
友人が作った안녕하세Yo!Tシャツ

「今日はありがとうございました! 楽しいしかない時間でした。お礼に友人が作った『안녕하세 YO!』Tシャツを。Yo!がかわいいなと思って。これを着て韓国に行ってきたんです」と、ともさかさん。
「わー、かわいい! ありがとうございます。今度はぜひ一緒に韓国へ」と意気投合のふたりでした。

MAKI WATANABE
料理家。グラフィックデザイナーを経て現職に。雑誌や書籍、テレビなど幅広く活躍中。近著は『アジアの煮込み』(主婦と生活社)。
https://maki-watanabe.com/


撮影/砂原 文 スタイリング/福田麻琴 ヘアメイク/伴まどか 文/晴山香織

※大人のおしゃれ手帖2024年5月号から抜粋
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