【WITH LOVE RINKA】梨花から、全てのミューズたちへ。

10周年記念号の表紙を飾ってくれたのは、もちろん我らがミューズ・梨花さん。本誌の10年間は、彼女と歩幅を合わせて共に歩んできた軌跡でもある。そんな盟友との節目となるカバーストーリーは、いつも通りリラックス感漂う穏やかな撮影となった。でも日ごろから「表紙の撮影は力を抜くほうがずっと難しい」と語る梨花さんだけに、気心の知れたスタッフに見せてくれたこの表情が、実は「一番の特別」なのかもしれない。

モデルを続けていく覚悟。梨花さんのこれまでとこれから

揺るぎないチームのサポートを得て、オトナミューズ創刊から10年という長旅でさまざまな困難を乗り越えてきた梨花さん。そして歳を重ねた今、彼女が見つめるその先にあるものは?

ジャケット¥544,500、ボディスーツ¥121,000、スカート¥207,900※参考価格、ネックレス¥792,000、バッグ¥671,000、シューズ※参考商品(全てバレンシアガ/バレンシアガ クライアントサービス)

新しい女性像を目指した、手探りの10年間


 


—オトナミューズ創刊から10年の月日が経ちました。梨花さんもカバーガール10周年ですね、おめでとうございます。


 なんでしょう、10年か〜!  感慨深いです。いろいろありましたね。


—そもそもオトナミューズって、梨花さんのリクエストから生まれた雑誌ですからね。


 それまではsweetでカバーガールをやってきていたんですけど、ガーリーな女の子の世界から次のステージに行きたくて、渡辺さん(元sweet/現本誌編集長)に相談したら、新たな場所を用意してくれました。


—梨花さんがカバーを務めていたころのsweetは、実売100万部を誇る日本一売れているファッション誌。「28歳、生女の子宣言!」のコピーを掲げ、いわゆる「大人カワイイ」の概念で殴り込みをかけ、社会現象となりました。梨花さんといえばガーリー!  という時代でしたね。


 ガーリーは、間違いなく当時の私を象徴するものだったと思います。自分のブランドもやっていましたし、今振り返ると、時代を作ったなー!  っていう自負もある。もちろん、私が、というよりも、スタイリストさんとか編集部とか、みんなで一緒にね。

ボディスーツ¥115,500、パンツ¥301,400、レギンス¥333,300、シューズ¥130,900(全てアライア/リシュモン ジャパン アライア)

シャツドレス¥720,500、スカート¥148,500(共にヴァレンティノ/共にヴァレンティノ インフォメーションデスク)

梨花さんが2013年に「シンプル宣言」をされ、これまでのガーリー路線から、すっきりとした大人のスタイルに舵を切られたことがありましたね。オトナミューズの創刊が2014年の3月なので、ちょうどガーリーから新たなフィールドへという時期だったのでしょうか。


 大人になって、子育ても始まって、ハワイに移住して……取り巻く環境が変わるなかで、いろいろと削ぎ落としたシンプルなものがいいと感じていたのかな。ただ、シンプルって実はすごく難しい。言葉のままだと、なんでもないものになっちゃう。そこに何をどう足していくのか、正解がないからこそ試行錯誤が続いたなと感じています。今はやっとそれを楽しめるようになりましたけど。


オトナミューズのカバーでも、シンプルな女性像を意識しましたか?


 オトナミューズという雑誌は、sweetを卒業した子たちも含めた、新しい大人たちに向けたものだったから、“これを提案しなきゃいけない”という制約が何もなかったの。だからすごく手探りだった。「自由って案外怖いね」なんて言いながら、この表現でいいのかな?  って毎号毎号、真剣に悩んできました。

ドレス¥1,700,000、イヤリング¥76,000、シューズ¥124,000(全てディオール/クリスチャンディオール)

photo:YUKI KUMAGAI styling:TOMOKO KOJIMA hair:NORI TAKABAYASHI[YARD] make-up:UDA[mekashi project] flower arrangement:NORIYOSHI HAGA[chibi] model:RINKA
otona MUSE 2024年5月号より