ChatGPTで知られるOpenAIは、大手経済紙のFInansial Timesとライセンス契約を結んだ。この契約により、ChatGPTのユーザーはFTの記事の要約、引用、記事へのリンクが利用可能になる(FTからの情報を含むプロンプトはすべてFTに著作権が帰属する)。

OpenAIは、ChatGPTが入力クエリーに応じてニュース記事へのアクセスを得ることが可能になる一方で、Financial Timesに対し新しいAI製品を開発する。FTはすでにChatGPT Enterpriseの顧客だが、先月にはAnthropicの生成AI「Claude」を使った「Ask FT」検索機能のベータ版を購読者向けにリリースしている。

Financial Times GroupのCEO、ジョン・リディング氏は「AIプラットフォームが出版社にその素材の使用料を支払うのは当然のことだ」と述べ、「AI製品に信頼できる情報源が含まれていることは、明らかにユーザーの利益になるだろう」とコメント。ただし、OpenAIと提携しても、同社は人間によるジャーナリズムにコミットし続けるとも述べている。

OpenAIは大規模言語モデル(LLM)の訓練のために、Business Insider、Politico、AP、Axel Springerなど複数の報道機関と契約を結んでいる。これらはいずれも今回のFTと同様に記事を提供してOpenAIがAIを鍛えることを許可しているが、コンテンツのライセンス料は100〜500万ドルほどとされ、たとえばアップルなど他の企業が同じような契約で支払っている額に比べるとかなり少ない模様だ。

ちなみに、OpenAIに対してはライセンスを結ぶどころか厳しい態度をとっている企業もある。たとえばNew York Timesは昨年12月、ChatGPTにコンテンツがまるごと流用されているとし、OpenAIおよび提携先のマイクロソフトを著作権侵害で訴えた。ほかにはThe Intercept、Rew Story、AlterNetといった報道期間が、OpenAIとマイクロソフトに対し訴訟を起こしている。

Source: Financial Times, OpenAI

via: The Verge