「スマホ・ゲーム依存」に陥ると、イライラしやすくなる、攻撃的になるなどの症状がみられます。スマホは便利な機器ですが、うまくつきあえるように大人が見守っていくことが大切です。久里浜医療センター院長の樋口進さんが語ります。

※本稿は『PHPのびのび子育て』2021年6月号から一部抜粋・編集したものです。


「スマホ・ゲーム依存」から子どもを守る

今の子どもたちは、生まれたときからスマートフォンが身近にあるのが当たり前です。小学生でも7割以上が動画視聴やゲームを利用しているとの調査があります。たしかにスマホは多機能で便利であり、子どもたちを惹きつけるエンターテインメントもたくさんあるでしょう。ですが、それゆえにトラブルも数多くあります。

その1つが、スマホやゲームへの「依存」です。依存が進行すると、スマホやゲームに執着する一方、理性的に考える力が次第に衰えていきます。そして、感情のコントロールができなくなる、いつもイライラしている、攻撃的になる、など精神面での問題も現われてます。

誤解してはいけないのは、毎日のようにスマホやゲームに触れているからといって、必ずしも依存に陥るわけではありません。好きなだけゲームをしながらも、生活習慣は乱れず、勉強も遅れず、他の遊びやスポーツを楽しんでいる子はいます。

ですが一方で、他の子と同じくらいの使用時間にもかかわらず、依存に陥ってしまう子もいます。つまり、リスクの高さは人によって異なり、お子さんごとに個別に対処していく必要があるのです。

とはいえ、使用時間が長くなるほど、どんなお子さんでもリスクが高くなるので、幼いうちからしっかり予防策を講じましょう。