子育て中の頭のなかはいつも子どものために「しなきゃ」でいっぱい。試行錯誤の連続で、特にインターネットが発達した現代の育児は、情報迷子になりがち。ですが、子育ての中で絶対に「しなきゃいけないこと」って、実はそんなに多くありません。

自身も12人産んだ人気Youtuber、助産師HISAKOさんの著書『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』の中から、「これだけは意識して欲しいこと」を3つご紹介します。本文中は便宜上「ママ」と書いていますが、もちろん「パパ」も実践してみてくださいね。

※本稿は、助産師HISAKO著『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』(サンクチュアリ出版)から、一部抜粋・編集したものです。


靴選びのポイント

【靴の選び方】
×靴はすぐにサイズアウトするので、プチプラで賢く購入
○服はお下がりでも、靴だけはきちんとしたものを購入

洋服はボロボロのお下がりばかりのわが家ですが、靴だけにはお金をかけています。というのも、間違った靴を履かせてしまうと、足はもちろん、膝や腰、さらには内臓の働きにまで影響を与える可能性があるから。

上の子がサイズアウトした靴を履かせていた第3子は、小学生の頃から足の痛みをたびたび訴えていて、高校生のときに、極度の扁平足が原因だったことが判明。先天的な足の形などもあるので、一概にお下がりだけが原因とはいえませんが、靴はそれだけ重要だということですね。わが家の苦い思い出です。

お下がりだけでなく、手頃な価格やおしゃれなデザインを重視した靴選びもやめたほうがいいでしょう。特に、女の子はキラキラの靴などを履きたがりますが、どうしてもほしがるなら、家の中でおままごとの一環として履かせるのはどうでしょうか?

靴選びのポイントは、アパレル系のブランドではなく、しっかりした靴のメーカーを選ぶこと。 メーカーごとに特色があるので、幅広、甲高など、一人ひとりの足の形に合うメーカーを知っておきましょう。

そして、必ずシューフィッターさんに足のサイズを正確に測ってもらうこと。大型のショッピングモールなどに入っている靴店ならやってもらえると思います。かなり大きくなるまで、子ども自ら「キツくなってきた」 と言ってくることはまずないので、定期的に測るのがおすすめ。

マジックテープは消耗品なので、ゆるくなってきたら買い替えどきといえるでしょう。足腰の健康は靴の選び方で決まるので、子どもの今のサイズに合った靴を、惜しみなく買いましょう。


とにかく保湿が重要

【保湿】
×肌トラブルが起こったら、何も塗らない
○どんな肌、どんな季節でも保湿は必須
 
今は、多くのママが保湿の重要性を理解し、赤ちゃんの頃からお風呂上がりのスキンケアに精を出しています。しかし、夏場は 「汗や皮脂でうるおいは十分」と思い込み、保湿をおろそかにしていませんか?

エアコンや紫外線、汗の蒸発などで、肌の内部は乾きやすく、外はベタベタ、中はカラカラ。子どもの肌は大人の半分ぐらいの薄さしかなく、バリア機能も未熟なため、夏こそ肌の水分があっという間に失われてしまいます。

これが「インナードライ」です。乾燥すると、衣類の繊維が刺激となり、肌荒れの原因に。

さらに、バリア機能が低下し、肌の表面に流れ出た汗が乾燥した肌に再び染み込むことで、炎症=あせもにもつながります。だから、夏は冬場以上に保湿を意識しましょう。保湿された健康な肌は、角層の水分が保たれているため汗の影響も受けにくく、あせもの発生が抑えられます。

そして、もしあせもができてしまったら、そのときこそしっかり保湿することが重要です。これは、他の肌トラブルでも同じポツポツ、ジュクジュクしている肌を見ると、「何も塗らないほうがいいのでは?」 となんとなく思いがちですが、保湿剤、あるいは処方された薬があるならそれを適切に塗ることが、子どもの肌を守ることにつながります。

ちなみに、あせも予防として昔よく使われていた「ベビーパウダー」は、汗腺をふさいでしまい、逆に肌トラブルの原因になるので、あまりおすすめしません。1年通して、とにかく保湿! 肌トラブルから子どもを守るのはうるおいです。


ジュースは1歳をすぎてから

【飲み物】
×子どもが好きな飲み物を与える
○「喉が渇いたら麦茶か水」を徹底する
 
私が第1子を出産した20年以上前は、「生後2ヵ月になったら果汁をスタートさせましょう」という指導がありましたが、現在では、「果汁は離乳食開始からOK」というのが一般的な認識。

アメリカ小児科学会では「子どもにジュース(=果汁)を与えるのは1歳をすぎてから」を推奨しています。アメリカ小児保健人間発達研究所の研究では、乳児期からジュースなどを与えられていた子は、小児期に甘い飲み物の摂取量が増える傾向にあると言われています。

研究による生後6ヵ月未満で果汁を与えられていた赤ちゃんは、1歳以降で与えられた子に比べてジュースの摂取量が多くなるリスクが50%、炭酸飲料の摂取量が多くなるリスクが60%増加。

さらに、1歳未満で果汁を与えられていた子は、1歳以降で与えられた子と比べて、 1日あたりの水の摂取量が少ない傾向にあることも判明したそうです。

子どもは味覚が未発達なので、濃い味を好みます。ジュースなどの甘い飲み物に慣れてしまうと、「味がしない」という理由で水を飲まなくなることも。ジュースでお腹が膨れれば、ごはんを食べる量も減ってしまいます。

私にジュースを飲む習慣がなかったこともあって、わが家の冷蔵庫には麦茶とお水と牛乳しか入っていません。長年、「喉が渇いたら、とにかく麦茶かお水!」というのが徹底されています。そのぶん、お出かけや外食のときはジュース解禁! "特別なもの"だからこそ、子どもたちのテンションも上がります。


一番大切なのはママの笑顔

「がんばらんでええ、テキトーでええ。」肩に力が入りまくっていたHISAKOさんが20年かかってたどり着いた、育児のいちばんのコツです。子ども思いの、真面目で一生懸命なママこそ、がんばらないでいい。もっと肩の力抜いて楽しんで。

楽しんだぶん、ママに余裕が生まれて笑顔になれば、それこそが子どものためになります。たくさんのママとパパが、笑顔あふれる育児ができるよう応援しています。