日本各地の人里離れた場所になぜだかポツンと存在する一軒家と、そこに住まう人物の人生にも迫っていく番組『ポツンと一軒家』。

3月3日(日)は、ゲストに内藤剛志と蝶花楼桃花を迎えて放送される。

鹿児島のほぼ中央にある深い山の中でポツンと一軒家を発見。

森に囲まれたような敷地はこじんまりとしており、小さいながらも美しく整備された畑が印象的で、近くには川も流れているようだ。

最寄りの集落へと訪れた捜索隊は、通りかがりに見つけた男性に声をかけることに。すると、衛星写真を見るなり「ここの方は知り合いですよ!」とまさかの返答が。

「3年ほど前に旦那さんを亡くされて、今は80歳くらいの女性がお一人で暮らしています」といい、親切にも一軒家まで案内してくれるという。

男性が運転する車の案内で集落を後にし、山道へ入っていくと、いきなり急坂が先まで続いている。

急こう配の山道を上がりきると、そこは絶景が見渡せる場所だ。案内の男性はわざわざ車を停め、「天気が良ければ、ここから桜島が見渡せるんです」とガイドまでしてくれる。

捜索隊が目を凝らすと、たしかにぼんやりと桜島を見ることができる。鹿児島のほぼ中央にある山からの絶景に心を奪われつつ、さらに山の中へと入っていく。

まったく人の気配を感じられない山道を越えるとダムがあり、さらに峠を越えると、高い杉の木立と清流に囲まれるように拓かれた土地に家が現れる。

「いつもテレビで観ています」とにこやかに迎えてくれたのは79歳の女性。かつては5軒ほどの集落だったが、6年ほど前からポツンと一軒家になったそうだ。

実は、7年ほど前に築100年以上の歴史ある茅葺屋根の母屋が火災で全焼する悲劇にも見舞われたという。それでも「夫は先祖代々の土地を離れたくない」と、この場所に新しく家を建てることに。

その夫も3年半前に亡くし、現在はこの地で一人暮らしをしている。娘が顔を出すたびに孫やひ孫に会い、義理の姉妹との食事の時間も楽しみのひとつだそう。

かつての住人が山を下り、火事で自宅をなくし、夫が他界してもなお、この地で暮らす女性は「寂しくはないですよ」と視線を落とすことなく前を向く。「今まで苦労してきたことも多かったですが、今になってみれば、みんなに助けてもらってね。この土地を守るのは私だと思っています」と語る。