ボクサーの井上尚弥は6日、4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチでルイス・ネリを下し、日本人初の4団体防衛に成功した。

27戦27勝24KOという戦績とともに、リング上での圧倒的なパフォーマンスから「モンスター」の異名を取る井上。そんな彼は、神奈川県座間市の出身で現在も自宅があることが知られている。

神奈川県の中部に位置する座間市からは、サッカーでも何人もの名選手が生まれている。ここでは日本代表になった4名の選手を紹介する。

大野忍





1984年1月23日生まれ

1人目は、座間市出身のサッカー選手で早くもレジェンド的な存在となっている大野忍。言わずと知れた2011年の女子ワールドカップ優勝メンバーだ。

横須賀シーガルズFCから読売西友メニーナ(現日テレ・東京ヴェルディ)へ加入し、1999年にベレーザへ昇格。小柄ながら勝ち気でマルチな能力を備えたFWとして「女子版の大久保嘉人」と例える声もあった。

当時の国内最高峰なでしこリーグでは、2005年、2007年、2010年と3度のMVPに輝き、なでしこジャパンの一員としてもW杯優勝や準優勝(2015年)、ロンドン五輪銀メダル(2012年)などを経験。

移籍したINAC神戸レオネッサから、リヨンやアーセナルなど欧州でもプレーしたのち、2019年に現役を引退。現在は指導者となり、今年からなでしこリーグ1部のスペランツァ大阪で監督を務めている。

武藤雄樹





1988年11月7日生まれ

武藤雄樹は武相高校から流通経済大学を経て、2011年にベガルタ仙台でプロ入り。大学時代は4年次にキャプテンを務め、関東1部リーグで得点ランキング2位に入るなど実績十分だった。

プロでは最初の3年間リーグ戦でわずか2ゴールというスロースタートになったものの、4年目は30試合に出場し4ゴール。そして2015年に移籍した浦和レッズでは2年間で25ゴールと大ブレイクを果たす。

EAFF東アジアカップ2015で日本代表に初選出され、2試合で2ゴールを記録。チームは4チーム中まさかの最下位に終わったが武藤は単独得点王に輝いている。

浦和では2017年のACLなど数々のタイトルを獲得し、2021年7月に惜しまれながら柏レイソルへ完全移籍。35歳となった今季も柏の9番を背負う。

佐々木翔





1989年10月2日生まれ

2020年からサンフレッチェ広島のキャプテンを務めている佐々木翔も座間市が生んだ名選手の一人。

イギリス人の父と日本人の母の間に生まれ、小学3年生から横浜F・マリノスのアカデミーへ加入。ジュニアユースの同期には水沼宏太や金井貢史らがいた。

ユースには昇格できず、城山高校から神奈川大学という地元ルートを経て、2012年にヴァンフォーレ甲府へ加入。城福浩監督のもとで3年間レギュラーとして活躍し、2015年に広島へ引き抜かれている。

日本代表へは2018年8月、森保一監督が就任した最初の活動で初招集。主に左サイドバックで起用され、15試合出場2ゴールという成績を残している。

杉田亜未





1992年3月14日生まれ

座間市出身の日本代表選手で今のところ最も若いのは杉田亜未。座間市もホームタウンとなっているWEリーグのノジマステラ神奈川相模原で昨季10番を背負っていた攻撃的MFだ。

湘南学院高校から岡山の吉備国際大学へ進学。4年次の2013年にはキャプテンとして同大初のインカレ(全日本大学女子サッカー選手権)優勝に大きく貢献した。

翌2014年になでしこリーグの伊賀FCくノ一へ加入。その年の女子アジアカップでなでしこジャパンデビューを飾ると、翌年のEAFF東アジアカップ2015では3試合で2ゴールを決めている。なでしこで最後に出場したのは2022年のEAFF E-1選手権だ。

杉田は今季からアルビレックス新潟レディースへ移籍。サンフレッチェ広島レジーナに敗れ惜しくも準優勝に終わったWEリーグカップ決勝でもフル出場しており、PK戦では重要な1人目を任され見事に成功させている。