J1第9節が20日に行われ、昨季リーグ王者ヴィッセル神戸が湘南ベルマーレを1-0で下して今季初のリーグ戦2連勝を飾った。試合終了間際の後半48分に元日本代表FW武藤嘉紀が右足で決勝弾を決めて劇的な勝利に導いた。

0-0の後半48分に湘南のクリアボールを回収した元日本代表MF山口蛍が元日本代表FW大迫勇也へ縦パスを供給すると、大迫がペナルティエリアに侵入してDFマテウス・トゥーレルへ浮き球を上げて折り返したボールをゴール前で待つ武藤に大迫がプレゼントパス。完璧なお膳立てを受けた武藤は落ち着いてネットを揺らした。
武藤は試合後に『DAZN』のフラッシュインタビューで「チームみんなで勝ち取ったものだと思いますし、最後大迫選手があれだけ素晴らしいボールを出してくれたので、僕はただゴールに決めるだけだった」と振り返った。
第7節横浜F・マリノス戦で負傷退場していた大迫がこの日戦線に復帰し、武藤と息の合った攻撃を見せた。「彼とは私生活ともども本当に分かり合っていると思いますし、最高のパートナーでもあるので、きょうは本当に素晴らしいゴールをプレゼントしてもらったので、次は僕もしっかりお返しできるようにしていかないといけないと思います」と昨季リーグMVPの相方を称えた。
一方で後半に入ってから武藤はわき腹に手を当てるシーンが散見された。ピッチを駆け抜けた際に、苦悶の表情を浮かべることもあった。武藤は「多分ちょっと折れちゃっている気がするんですけど、わき腹なのでしっかりと…。どうなるか分からないですけど、きょうはやり切れたのでまた次回復して臨めればと思います」と骨折を示唆するほど苦しい状況でプレーしていた。
それでもアウェーに駆け付けたサポーターのために戦い抜いた武藤。「チームとして何が何でも勝利したかったですし、アウェーの地でこれだけサポーターの方々が来てくださっていたので、僕が痛みに負けるわけにはいかなかったですし、彼らのサポートもあってきょうは最後まで歯を食いしばって頑張れたと思います」とサポーターに感謝した。

暫定3位に浮上した神戸は今月27日午後2時に次節ホームで京都サンガを迎える。