関東社会人1部南葛SCは4月27日に、ヴェルフェ矢板戦(28日、4-0)に向けた練習を都内で公開した。選手たちは流れるようなパスワークを見せて技術の高さを見せた。

この日元日本代表MF今野泰幸は球際の強さ、素早いインターセプトで存在感を発揮。卓越した守備技術はたくましさと上手さが兼備されており、ミニゲームでの素早いパスワークにも難なく対応していた。



14日に行われた第2節東京ユナイテッドFC戦で今野はフル出場を果たし、2-0の勝利に貢献。チームは試合を支配する形で今季リーグ戦初勝利を飾った。昨年11月に川崎フロンターレなどで指揮を執った名将・風間八宏氏が南葛SCの監督とテクニカルダイレクターに就任。風間監督の指導下でチームの技術は向上しつつあるが、今野は現状に満足していない。

今野は「風間さんがやろうとするサッカーを完璧にできたとは思っていない。特に後半は自分たちの時間というより相手の時間も長かった。それを『90分通して自分たちの時間にする』よいうのが目標なので。手応え的にはまだまだかな。もっと一人ひとりの判断スピードや技術を上げていかないと思いました。全然満足のできる試合ではなかったと思います」とキッパリ。日本代表で通算93試合出場、ガンバ大阪時代に国内3冠を果たしたレジェンドはさらなる高みを見据えていた。



風間監督の指導を受けた選手はベテラン選手であっても「上手くなる、成長する」と答えるほどの「止める、蹴る」を基本とする質の高い練習で有名だ。今季就任した名将の指導を受ける今野は「上手くなるというよりは意識付けですよね。普段の練習から要求するところが高い。ターンするとか、最短でしっかり前を向いて前に当てていくとか。そういうことを常々言われるので、意識が変わるから、頭が変わる。やろうとしてるサッカーが高くなってくるから、そういう意味でレベルアップしてるのかなと思います」と分析した。



チームは今季関東1部リーグ優勝、地域チャンピオンズリーグを勝ち抜いてJFL参入を目指している。今野は「リーグ戦も短期決戦なので、試合数も多くない。1試合、1試合100%の力で、自分たちの練習してるところを思う存分出して、監督にアピールしながら勝っていきたいと思います」と闘志を燃やした。日の丸を背負って戦い続けた男が、南葛飾を背負ってチームを高みへと導く。