中国メディアの新聞晨報によると、上海市崇明区内の寺院で賽銭箱の中から金銭を盗んだ男が、取り調べに対して「菩薩さまが指でOKしてくれた」と供述していたことが分かった。

警察によると、崇明区内の寺院の慎修庵から2023年11月に、賽銭箱から金銭が盗まれたとの通報があった。慎修庵では10日に1度、賽銭箱から金銭を回収していたが、職員が複数の賽銭箱の中の金銭が明らかに少ないことに気付いた。さらに、金銭が少なかった賽銭箱は蝶番の部分が緩んでいるなどの盗難被害に遭った痕跡があった。

職員が監視カメラの映像を確認したところ、何者かが賽銭を盗んでいることが分かったので、警察に通報したという。警察は容疑者として男1人の身柄を拘束した。

警察が容疑者として身柄を確保した男のうち1人は、23年10月に友人と酒を飲んだ際に、「最近になり賭け事で大金を失ったので、懐具合が悪い」と打ち明けたと供述した。すると友人は、一緒に寺の賽銭箱から賽銭を盗もうと持ち掛けた。同容疑者はこれまでにも賽銭を盗んだことがあり、違法行為であることも知っていた。しかし友人が「賽銭をいただこう」と何度も言うので、応じることにしたという。


2人は崇明区内の多くの寺院に何度も足を運んで様子を調べた上で、賽銭を盗む寺と日時を決めた。2人は夜陰に乗じて慎修庵の本殿などに忍び込んだ。数日間繰り返したという。1人は建物の外で見張り役をして、残りの1人が賽銭を盗んだという。警察が取り調べを進めた結果、2人は慎修庵だけでなく、寺院計3カ所で賽銭を盗んだことも分かった。


警察に身柄を拘束された同容疑者は取り調べに対して「盗んだのではなく借りた」と強弁した。警察側が「誰の許可を得て借りたのか」と問い詰めたところ、「菩薩様に賽銭箱の中の金を持って行ってよいかと尋ねたら、指でOKしてくれた」と供述したという。

同容疑者には、中華人民共和国刑法第264条に基づき、懲役5カ月と罰金1000元(約2万1000円)が言い渡された。同容疑者に賽銭どろぼうを持ちかけた男には別件もあり、別の処分が言い渡されることになったという。(翻訳・編集/如月隼人)