2024年4月1日、環球時報は「日本では青少年をどうやってサッカー好きにしているのか」と題した記事を掲載した。

記事は、神奈川県川崎市にあるサッカークラブで、三笘薫、田中碧、板倉滉和、権田修一という4人の日本代表を輩出したことにより一躍注目を集めた「さぎぬまSC」を取材した際、練習場のピッチ上で子どもたちがボールを一生懸命追いかけ、仲間からパスを受けた1人が素早く体勢を整えて力いっぱいシュートを放っていたと紹介した。

そして、副代表を務める北泰之さんが同クラブについて、基本的に全員小学生で、学年ごとのチームを持っていること、入部に当たりセレクションは行っていないものの、近ごろは希望者が増えたために近隣在住者を優先するようになったこと、「プロ選手を育成するというよりも、子どもの人格を育み、サッカーを通じて子どもたちの心を鍛錬する」というクラブの姿勢を紹介したことを伝えたほか、同クラブでは保護者がコーチを務めるなど積極的に関与しており、北さんが「保護者にサッカーの経験があるかどうかは重要ではなく、寄り添うこと、サッカーをしたい子どもたちに、親が自分の身や行動でサポートする姿勢を見せてあげることが大切」との考えを示したことを紹介した。

その上で、日本では地域のU-12クラブから中学校・高校の部活、プロクラブのユースチーム、大学のチームなど、青少年がサッカーに触れる上でさまざまなプロセスが用意されており、どのプロセスでも影響力のある指導者と出会い、プロ選手やナショナルチームの代表になれるチャンスがあると指摘。科学的なユース育成体系によって優れた人材が次々と輩出され、海外で活躍する日本人選手が500人以上に達し、欧州トップ20リーグだけでも複数の「日本代表」が作れる60人以上が所属していると伝えた。

また、日本サッカー協会ユース育成ダイレクターの影山雅永氏が、ワールドカップ制覇やプロ選手の育成という目標に加えて「日本を、全ての人がサッカーを楽しめる、幸福な人生を送れるサッカー大国にしたい。全国民によるサッカー文化を育て、サッカーに参加する全ての人が心から喜びを感じられるようにしたい」と語ったことを紹介した。

記事は「多くの国が早い時期から競技サッカーとファンサッカーを分けてしまっているが、日本は両者を関係づけ、融合している。ファンサッカーに親しむ人が増えればサッカー人口が増加して競技サッカーの競争力も高まり、ナショナルチームを頂点とする競技サッカーの強化はファンサッカーの裾野拡大につながる。こうして『幸せなサッカー大国』という究極的な目標を実現させるのだ」と評した。(翻訳・編集/川尻)