2024年3月4日、韓国・電子新聞によると、中国最大の電気自動車(EV)企業の比亜迪(BYD)が韓国・忠清北道へのEV新工場建設を計画している。記事は「契約が締結された場合、BYDは韓国を戦略生産拠点として、EV乗用車の生産と世界販売を本格化するとみられる」と伝えている。

記事によると、BYD本社と忠清北道は昨年から数回にわたりEV新工場建設に向けた詳細案について議論を重ねている。関係者は「2月にBYDの役員が訪韓し、工場建設の有力候補地を見学した」と明らかにした。

BYDは忠清北道の新工場でリン酸鉄リチウム電池(LFP)バッテリーEVのCKD、SKD生産を検討している。CKDは中国から主要部品を持ち込み、韓国で組み立てや塗装などを行い自動車として完成車にする製造技法。SKDは組み立て・塗装まで終えた状態で輸入し、現地工場で残りの部品を組み立てる方法である。

記事は「この方法で韓国でEVを生産すれば、国内需要に対応するだけでなく自由貿易協定(FTA)を締結している北米や欧州への輸出が可能となる」とし、「忠清北道のEV工場が可視化されれば、中国企業が韓国内に完成車工場を建設した初の事例となる」と説明している。BYDは昨年、ハンガリーとブラジルに現地工場を建設する計画を発表した。最近はメキシコやイタリアとも新工場の建設について協議しているとされている。

BYDは16年に韓国法人BYDコリアを設立し、EVバスとトラックを販売している。昨年からはEV乗用車の発売を準備するなど、韓国市場攻略に力を入れているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「どうせ韓国のバッテリー技術を盗まれるだけ」「米国と欧州の制裁を避けるための策略だ。工場建設を許可してはならない」「組立工場か。国籍を洗い流すことが目的だろう」「韓国で組み立てだけするという話だから、雇用拡大にも役立ちそうにない。中国人を呼んで作業させるだろうし」「自国産業を滅ぼすようなことはやめてほしい」など反発の声が多数寄せられている。(翻訳・編集/堂本)