2024年3月25日、第一財経は「ポストマイナス金利時代は、日本経済回復の光明になるのか」と題した記事を掲載した。

記事は、日本銀行が19日にマイナス金利政策の解除を発表し、基準金利を0〜0.1%に引き上げたと紹介。日銀が金利を引き上げるのは07年以来で、8年間続いたマイナス金利の時代が終わりを告げたと伝えた。

その上で、「ポストマイナス金利時代」に日本経済が明るい道のりを見い出せるかどうかについて、中国の全国日本経済学会副会長で上海対外経貿大学日本経済研究センターの陳子雷(チェン・ズーレイ)主任が「日本経済のファンダメンタルズが完全に好転したかどうかを判断するのは難しい。結局のところ、日銀のマイナス金利解除は、大企業による大幅な賃上げの中で『すでに弓に構えた矢を放たざるを得なかった』と言うべきであり、発表後に円安が続いたこと、株式市場の反応も冷静だったことを考えると、日本国内の機関や投資家が今後になおも憂慮を抱いていることがうかがえる」と分析したことを紹介している。

記事によると陳氏はまた、マイナス金利解除の効果を左右する最大の不確定要素が「実質的な経済成長率がプラス成長を続けられるか」という点にあると指摘。日本の国内総生産(GDP)は昨年1年間で1.9%のプラス、物価上昇を反映した名目GDPでは5.7%プラスとなった一方で、昨年7〜9月のGDPは前四半期から0.5%減、年率換算で2.1%となり、10〜12月も前四半期比0.1%増、年率同0.4%増となり、かろうじてテクニカル・リセッションを回避した状態だったことに言及し、「現在の最大の問題は、今年の1〜3月期にプラス成長を維持できるかどうかだ」と述べた。

記事はまた、日銀が7月または10月にさらなる利上げを行うとの見方が広がっており、特にマイナス金利を解除してから半年が経過し、その物価や経済への影響を見極めた上で10月に利上げを行う可能性が大きいとみられる中、一部の経済学者からは異なる意見も聞かれると紹介。HSBCのエコノミストであるフレデリック・ノイマン氏が「次に何が起こるかが大きな問題。日銀はゼロ金利水準から抜け出せず、今後数四半期は短期金利を大幅に引き上げられない可能性がある」と論じたことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)