2024年3月26日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、パキスタンの水力発電所建設現場付近で爆弾テロが起こり、中国人技術者5人を含む7人が死亡したと報じた。

記事は、パキスタン国内で中国企業が建設を請け負っている水力発電所の建設現場付近で26日午後にテロ事件が発生して7人が死亡し、このうち5人が中国人のエンジニアだったと紹介。現地警察当局のコメントとして、事件現場は同国北部の情勢が不安定なカイバル・パクトゥンクワ州に位置し、中国人エンジニアと労働者のチームが車に乗って建設現場に向かう途中で襲撃者の運転する車に衝突され、ほどなくして爆発が発生したと伝えるとともに、中国人5人のほかにパキスタン人の運転手と襲撃者それぞれ1人が死亡したとしている。

その上で、同国では中国人が主導する水力発電所建設現場付近でのテロ事件がこれまでにも発生しており、21年7月にも中国人エンジニアが乗った車がカイバル・パクタンクワ州のダスダム建設現場に向かう途中で爆発に巻き込まれて中国人9人を含む13人が死亡したと紹介。この事件ではパキスタン・タリバン運動が犯行声明を出したが、記事によると今回の事件では犯行声明は出ていないという。

記事は、同国内では近ごろ異なる武装集団によるテロ事件が明らかに増えており、特に同運動はしばしば大量の犠牲者を出すテロを起こしていると紹介。また、同国北西部では現地の分裂主義勢力が「中国人が天然資源を奪っている」として中国人労働者を襲撃する事件も複数回発生していると伝えた。(翻訳・編集/川尻)