中国国営の中央テレビ(CCTV)は28日、日本が十数年の研究開発の失敗の後、再び国産旅客機の製造にチャレンジすると報じた。

記事は、「三菱重工業が昨年、初の国産ジェット旅客機の研究開発に失敗したが、日本政府は27日に航空産業専門家会議を開き、国産旅客機の研究開発を再開し、2035年以降に新エネルギーを動力とする旅客機を売り出す計画を発表した」と報道。「脱炭素化のニーズに基づき、水素エネルギーやその他のエネルギーを動力とする新環境技術を採用する方針だ」とし、「日本政府と複数の民間企業は今後10年間で同プロジェクトに約5兆円を共同投資する計画で、早ければ2025年にも実証事業を開始する」と伝えた。

一方で、AFP通信の報道として、「水素エネルギーを動力とする旅客機は日本にとって“エキサイティングな将来性”があるように見えるが、環境保護を主張する人々からは『グリーン水素』、つまり風力や太陽光などの再生可能エネルギーでつくられた水素を供給するための信頼できるサプライチェーンがないことを疑問視する声も出ている」と言及、これについて経産省幹部が「ハイブリッドや水素燃料電池など、次世代技術の可能性を模索している」との見方を示したことを伝えた。

記事は、「日本は2008年に初の国産ジェット旅客機(MRJ)の研究開発プロジェクトを開始したが、紆余曲折があった。累計で約1兆円が費やされたが、設計の問題などで6回にわたって納期が延期され、三菱重工は昨年2月に開発を中止すると発表した」と説明。「経産省はプロジェクトが失敗した原因として、安全性の認証プロセスや海外部品メーカーへの対応における経験不足、市場環境の変化などを挙げている」と伝えた。

その上で、リヨン証券のアナリストの話として、「三菱重工のプロジェクトはコスト負担が大きい悪夢のプロジェクトだった」と言及。新たなプロジェクトについては「複数の企業が参加しているためある程度のリスク分散は可能だが、協力はより難しくなる」としたほか、「水素エネルギーを動力とする研究開発の方向性は投入・産出比の面でやや懸念が残る」とも指摘した。(翻訳・編集/北田)