2024年5月13日、韓国・MBC NEWSが「『佐渡島の金山』(新潟県)の世界文化遺産登録をめぐる韓国政府の立場が敵対的から友好的に変わったとの報道が日本で出た」と伝え、韓国のネット上で注目を集めている。

記事は「佐渡金山は第2次世界大戦時に戦争物資を確保するため、朝鮮人1500人余りが強制動員された現場だ」とした上で、「産経新聞は最近、日本政府が推進する佐渡金山の世界文化遺産登録をめぐり、韓国政府の態度が変化したと主張した」「産経新聞は、22年5月に日韓関係改善に前向きな尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が誕生したことを期に変化の兆しが生まれたと報じ、その根拠として尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日大使の最近の発言を紹介した」「尹大使は今年4月に新潟県の花角英世知事と面会した際、佐渡金山で強制労役が行われていたことに言及しつつ、世界遺産への登録に『絶対反対するということではない』と述べた」「産経新聞は、佐渡金山の登録申請を『嘆かわしい』として即座に撤回するよう求めた文在寅(ムン・ジェイン)政権の立場と比較し、友好的に変わったと主張した」などと伝えている。

この報道に対し、韓国外国部は「過去の政権も現在も佐渡金山の世界遺産登録をめぐる立場に変化はない」と反論したという。

韓国では佐渡金山の世界遺産登録について「第2の軍艦島になる恐れがあるため、韓国政府は反対の立場を示すべき」と主張する声も上がっている。また今回の産経新聞の報道について、世界遺産への登録は通常、韓国を含む21カ国の委員国の全会一致で決定されるため「友好的な日韓関係をアピールすることで韓国が反対しづらい空気を作る根回し作業」と分析する声も出ているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「尹政権は何でも日本の意向通りに動くのか?何の根拠もなくそんな報道は出ない」「報道が本当なら弾劾レベル」「一体何が起きているの?駐日大使はしっかりしてほしい」「国民は大韓民国の大統領を選んだのに、日本政府のために働く親日政権」「尹政権の間に日本はやりたいことを全てかなえるだろう」「外交の基本は相互主義。それなのに韓国は日本に与えてばかりだ」などの声が上がっている。(翻訳・編集/堂本)