Daina Beth Solomon

[メキシコ市 28日 ロイター] - 中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の米州事業を率いるステラ・リー最高経営責任者(CEO)は28日、ロイターに対し、メキシコ市場でのシェア拡大を目指し、同国で工場の建設用地を探していると明らかにした。

リー氏は年間生産台数15万台の生産能力を持つ工場の建設地を年末に決定する見通しを示した。

業界関係者は、BYDのメキシコ進出は、米国市場で事業を行っている企業にとって競争上の脅威となる前兆だと指摘した。

米国の製造業擁護団体であるアライアンス・フォー・アメリカン・マニュファクチャリング(AAM)は今月、低価格の中国製自動車と部品が米国内の自動車会社の存続を脅かす恐れがあると警告した。AAMは政府に対し、安価な中国製自動車と部品のメキシコからの輸入を阻止するよう要請した。

AAMはリポートで「中国政府の権力と資金で支えられている非常に安価な中国製自動車の米国市場への流入は、米国の自動車業界が消滅するレベルの出来事になりかねない」と強調した。