[シンガポール 29日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインは29日アジア時間午前の取引で6万1100ドルと、ほぼ横ばいで推移している。月間の上昇率は44%超と2020年12月以来の大きさとなっている。ビットコインで運用する上場投資信託(ETF)を通じて資金の流入が続いている。

前日の取引では一時6万3933ドルを付けた。

ビットコインより時価総額の小さいイーサも買われ、直近は3416ドルと、月間上昇率が50%になった。

IGマーケッツのアナリスト、トニー・シカモア氏はビットコインが6万9000ドル突破を試す勢いを見せていると指摘。突破すれば21年11月に付けた過去最高値を更新することになる。

暗号資産交換業大手コインベース・グローバルの幹部は売買が急増していると述べた。

シティ・インデックスのシニア市場アナリスト、マット・シンプソン氏は、他の市場ならバブルで近づくべきではない水準だが、ビットコインは急激な上昇局面にあり、すぐに最高値に達する兆候はないと述べた。

米国で今年、ビットコインの現物に連動するETFが承認されたことで投資家層が拡大しており、LSEGのデータによると、ビットコインETFの運用規模上位10本を通じて27日だけで4億2000万ドルの資金が流入した。

4月にビットコインのマイニング報酬を半分に減らす「半減期」が控えていることも買い材料視されている。

また連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを背景に、高利回り資産やより変動の大きい資産への投資意欲が高まっている。