<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、日本円が下落した。鈴木俊一財務相は通貨安に対するあらゆる措置を排除しないと述べた。一方、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に関する手がかりを得るための新たな材料待ちとなる中、ドルは上昇した。

日本当局者による口先介入が続く中、日本円は対ドルで0.09%安の151.52円。序盤の上昇から反転した。

鈴木俊一財務相は26日の閣議後会見で、円安にはプラスとマイナスの両面があるが、過度な変動は経済の不確実性を高めるため望ましくないとの認識を示した。

野村の通貨ストラテジストは「ドル/円は151.50円水準で膠着している」と指摘。キャリートレードでドル/円をロングにしたい人がいるが、152円や153円まで行くと通貨当局が介入する可能性があるため買い進めないとの見方を示した。

一方、ドル指数は小幅に上昇。米商務省が26日発表した2月の耐久財受注が前月比で1.4%増と伸び率が市場予想の1.1%を上回ったことを受けた。

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りがおおむね低下した。この日に実施された5年債入札は堅調。市場では米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として重視する29日発表の米個人消費支出(PCE)価格指数が注目されている。

終盤の取引で10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)低下の4.238%。一時は4.273%を付けた。

2年債利回りは0.8bp上昇の4.595%。一時は4.618%まで上昇した。

ジェフリーズ(ニューヨーク)のシニア・エコノミスト、トム・サイモンズ氏は「月末が迫っていることに加え、29日が祝日に当たるため、買いが加速した可能性がある」と指摘。国債入札も影響したとの見方を示した。

この日発表の経済指標では、2月の耐久財受注が前月比1.4%増と、伸び率はロイターがまとめた市場予想の1.1%を上回った。

<株式> 米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が3日続落。小幅高で推移していたが、終盤にかけて下げに転じた。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方を見極めようと、29日に発表される2月の個人消費支出(PCE)価格指数が注目されている。

米国の既存・新規顧客に運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を1カ月間無料で提供すると明らかにした電気自動車(EV)大手テスラが2.92%上昇したが、全体相場の上昇持続にはつながらなかった。

ナスダック総合も続落。

ウェドブッシュ証券のシニアバイスプレジデント、スティーブン・マソッカ氏は29日のPCE価格指数に「全ての人の注目が向けられるだろう。それまでに何が起きてもノイズにしかならず、あまり大きな動きはないと想定している」と述べた。

PCE価格指数については、政策金利がまだピークに到達していないと思わせるような内容ならば大惨事になるだろうと語った。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、2月の個人消費支出(PCE)などの発表を控えて様子見ムードが広がる中、小幅続伸した。

米長期金利の小幅低下を背景に金利を生まない資産である金の投資妙味が高まった。米連邦準備理事会(FRB)が今年半ば以降にも利下げを行うとの見方も依然として相場を支えている。ロイターによると、最高値圏まで上昇してもなお買い意欲が衰えていない中国で、世帯からの現物需要が強まっていることも相場を支えたという。一方、インフレ関連の重要指標として市場が注目する2月の個人消費支出(PCE)物価指数が29日に発表される。内容を見極めたいとの見方から積極的な商いは手控えられ、相場の値動きは限定的となった。

外国為替市場では、金相場の引けにかけて対ユーロでドル買いの流れに転じた。ドル建てで取引される商品の割高感につながり、金は上値を削った面もある。キトコの上級アナリスト、ジム・ワイコフ氏は、ドル高局面では「短期筋からの利益確定の売り圧力が高まった」と指摘した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、世界第3位の産油国であるロシアの製油能力を巡り不透明感がくすぶる中、終盤にかけて売りに押され反落した。

ロイターは、関係筋の話として、ロシア石油大手ロスネフチが南部サマラ州で操業するクイビシェフ製油所が、ドローン攻撃を受け主要な原油蒸留装置(CDU)2基のうちの一つの運転を停止したと報道。ウクライナがロシアのエネルギー関連施設への攻撃を強める中、ロイターは26日、独自の試算としてウクライナの攻撃により失われたロシアの製油能力は国内全能力の14%に達したと報じた。

またイエメンの親イラン武装組織フーシ派は26日、過去72時間で、イエメン沖のアデン湾と紅海周辺で、船舶を標的に、6回のミサイル・ドローン攻撃を行ったと主張した。ロシアからの供給不安の高まりや、中東情勢を巡る先行き不透明感が原油買いを支え、早朝の時間帯では一時82.35ドル付近まで上昇する場面もあった。

ただ、翌27日午前にかけて官民の米在庫週報の発表を控え様子見ムードも漂っており、終日にわたり、方向感を欠く相場展開。高値警戒感から売りも出やすく、終盤はマイナス圏での取引となった。

ドル/円 NY終値 151.55/151.58

始値 151.26

高値 151.60

安値 151.28

ユーロ/ドル NY終値 1.0830/1.0834

始値 1.0853

高値 1.0859

安値 1.0825

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*15.00 4.4029%

前営業日終値 97*03.00 4.4260%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*03.00 4.2375%

前営業日終値 97*31.00 4.2530%

5年債(指標銘柄) 17時03分 100*03.75 4.2228%

前営業日終値 100*02.25 4.2330%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.38 4.5931%

前営業日終値 99*26.75 4.5870%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 39282.33 -31.31 -0.08

前営業日終値 39313.64

ナスダック総合 16315.70 -68.77 -0.42

前営業日終値 16384.47

S&P総合500種 5203.58 -14.61 -0.28

前営業日終値 5218.19

COMEX金 4月限 2177.2 +0.8

前営業日終値 2176.4

COMEX銀 5月限 2462.3 ‐26.8

前営業日終値 2489.1

北海ブレント 5月限 86.25 ‐0.50

前営業日終値 86.75

米WTI先物 5月限 81.62 ‐0.33

前営業日終値 81.95

CRB商品指数 287.8166 ‐1.1228

前営業日終値 288.9394