David Shepardson

[ワシントン 2日 ロイター] - 米上院銀行住宅都市委員会のブラウン委員長は2日、バイデン政権に対し、鉄鋼大手USスチール買収を目指している日本製鉄について、中国との関係を安全保障の観点から精査するよう促した。日鉄は「多くの誤解がある」との声明を出した。

ブラウン氏はバイデン大統領宛ての書簡で「この案件を審査するに当たり、日本製鉄と中国政府の結び付きがあると言われている点と、(USスチールとの)統合が米国の国家および経済の安全保障にもたらす危険性を徹底的に調べてもらいたい」と訴えた。

同氏は、日鉄が1978年に中国初の完全に近代的な製鉄施設の建設に合意したことや、同社が中国で9カ所の施設を運営しているとの報告に言及。「中国の軍と民間を融合させる戦略や世界的な経済力を追求する姿勢との関連で、日本製鉄が中国の製鉄産業や産業政策とつながりを持っていることは憂慮すべき意味合いを持っている」と述べた。

日鉄は英語で声明を出し、中国における事業活動は極めて限られていると主張。高炉などの主要な生産設備、研究・開発拠点はなく、中国の事業体が同国以外の業務や意思決定に影響を及ぼすことはないと説明した。