[3日 ロイター] - 関係筋によると、米メディア大手パラマウント・グローバルの取締役で構成する特別委員会は3日、米映画製作会社スカイダンス・メディアとの合併に向け独占交渉を開始することに合意した。

関係筋によると、パラマウント・グローバルは先週末、米プライベートエクイティ企業アポロ・グローバル・マネジメントから現金260億ドルで買収を提案されたが、スカイダンスとの合併交渉を優先する。

スカイダンスとの交渉はアポロとの交渉よりも進んだ段階にあり、実現すれば、パラマウントのシャリ・レッドストーン会長は、父親の故サムナー・レッドストーン氏が築いた一大メディア帝国の支配権を手放すことになる。

関係筋によると、パラマウントの特別委員会は「実現しない可能性がある」取引よりも「確実に得られる利益を追求する」ことを選択。独占交渉の期間は30日間という。

スカイダンスは米オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏の息子デービッド・エリソン氏が率いている。レッドストーン家の持ち株会社ナショナル・アミューズメントの買収を目指しているという。ナショナル・アミューズメントはパラマウントの議決権付き普通株を直接・間接に約77%保有している。

エリソン氏がスカイダンスとパラマウント・グローバルの合併を実現できることが今回の取引の条件になっている。

関係筋によると、パラマウントの特別委員会は数カ月前からスカイダンスとの交渉を続けている。

パラマウント・グローバル株は3日の取引を約15%高で終了した。

シャリ・レッドストーン会長はパラマウント・ピクチャーズ売却に後ろ向きな姿勢を示してきたが、世界的なエンターテインメント業界の不振により同社の時価総額は160億ドル余り減少し、1月に100億ドルを割り込んだ。

ブルームバーグは3日、パラマウントの支配株主でもあるレッドストーン氏が保有株をスカイダンスに売却する暫定合意に達したと報じた。スカイダンスがレッドストーン家の持ち株会社ナショナル・アミューズメントを買収する方向だという。

ロイターは1月、関係筋の話として、スカイダンスのデービッド・エリソン最高経営責任者(CEO)がパラマウントの議決権77%を握るナショナル・アミューズメント買収を検討していると報じていた。