Miho Uranaka

[東京 5日 ロイター] - 安川電機が5日に発表した2025年2月期の連結営業利益(国際会計基準)見通しは、市場予想を上回る前期比5.7%増の700億円だった。足かせとなっていた中国市場と半導体市況は底を打ち、半導体電子部品市場の投資再開や自動化・省力化投資の回復に伴うロボット需要増を見込む。

小川昌寛社長は会見で「全体として保守的な計画」と説明。中国と半導体市況の回復の遅れが懸案だったが、「少しずつ解消されている。24―25年度にかけて、上昇に向かっていく」と述べ、下期から需要が顕在化してくるとの考えを示した。

業績の先行指標である第4・四半期(12―2月期)の受注額は、前年同期比13%減の1101億円だった。同社によると、期ずれが起きたことなどが影響しマイナスとなったが、主力の「モーションコントロール事業」では中国は12月以降プラスに転じた。半導体業界向けのACサーボモーターについても、底を打ったという。

24年2月期の連結営業利益は、前期比3.0%減の662億円だった。会社計画の700億円を下回った。生産が間に合わず売り上げにつなげることができなかったためで、小川社長はオペレーション能力を再構築していく考えを示した。25年度を最終年度とする中期経営計画で掲げている営業利益1000億円のとの目標は「到達できるレベル」とした。

IBESがまとめたアナリスト16人の、今期の営業利益予測は650億円(平均値)だった。