Philip Blenkinsop Tassilo Hummel

[ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は9日、欧州に風力発電タービンを供給する中国企業を対象に補助金調査を実施すると明らかにした。域内企業を安価なクリーンテクノロジー製品から守る。

欧州委員会がスペイン、ギリシャ、フランス、ルーマニア、ブルガリアでの風力発電事業の開発条件を調べるという。対象企業の社名は明らかにしなかった。

EUが外国の国家補助金に対抗する新たな規則を打ち出す中、EU域内の中国企業でつくるEU中国商会は、保護主義的で透明性を欠く措置だとして「深刻な不満」を表明。

「今回の措置は中国企業に対する差別を示唆し、保護主義を是認するもので、世界に有害なシグナルを送る」と声明で述べた。

欧州委は中国製の電気自動車(EV)についても、補助金の恩恵を受けている証拠があるとして輸入関税を課すかどうか調べている。

ベステアー氏はEUが個別の事案ごとの調査ではなく、より体系的なアプローチを取る必要があると指摘。「太陽光パネルで起きたことがEVや風力発電、重要半導体で再発する事態は避けなければならない」と述べた。