米3月CPI+3.5%に加速、予想上回る 利下げ予想9月に後ずれ
前月比では0.4%上昇と、2月の伸びと並んだ。市場予想は0.3%上昇だった。
ファースト・シチズンズの市場・経済リサーチディレクター、フィリップ・ニューハート氏は「年内のFRBによる行動の可能性を完全に排除するものではないが、向こう数カ月以内の利下げの確率を確実に低下させる内容だった」と述べた。
ガソリンと住居費がCPIの伸びの半分以上を占めた。ガソリンは前月比1.7%上昇と、2月の3.8%上昇から鈍化した。家賃を含む住居費は0.4%上昇と、伸びは2月と同水準だった。
帰属家賃(OER)も0.4%上昇。2月の伸びと並んだ。
食品は0.1%上昇した。
自動車保険は2.6上昇、自動車修理費は3.1%上昇し、それぞれ2020年7月以来、22年8月以来の大幅な伸びを記録した。
ヘルスケアや衣料品なども上昇。一方、中古車・トラック、レジャー、新車は下落した。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.4%上昇、前年比3.8%上昇。市場の鈍化予想に反し、いずれも2月と同じだった。
エコノミスト予想は前月比0.3%上昇、前年比3.7%上昇だった。
モノの価格は0.1%上昇したものの、食品・エネルギーを除くベースでは0.2%下落した。
サービスは0.5%上昇。家賃を除くベースでは0.8%上昇し、2月の0.6%上昇から伸びが加速した。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は、CPIの加速について「インフレ鈍化の軌道反転の兆候というよりは、FRBのインフレ目標に向けた道のりの『障害』となる可能性が高い」と述べた。
CPIを受け、フェデラルファンド(FF)金利先物は急落。CMEフェドウオッチによると、金融市場では最初の利下げ予想は6月から9月に後ずれした。
市場は現在、FRBが今年利下げを行う回数は2回のみと予想。従来は3回の利下げを織り込んでいた。