<為替> 日本円が対ドルで序盤に付けた34年ぶりの安値から一時約5円高と急騰した。市場では日本当局が1年半ぶりに円買い介入を実施したとの見方が広がった。

ドル/円は取引時間中に一時160.245円と1990年以来の高値を付けた後、一時154.4円に急落。介入観測が広がった。

終盤は1.47%安の156.01円。日本はゴールデンウィーク期間中でアジア時間の商いは通常よりも乏しかった。ドル/円は正午過ぎに再び急落し、6分間で156.495円から155.05円に下落した。

FXストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「市場の商いが乏しく、何をしてもより大きな効果が得られるため、タイミングは実に理にかなっている。だからこそ日本当局はアジア市場で比較的早い時期に実施することを選んだのだ。そうすれば、より多くの効果を得られる」と述べた。

神田真人財務官は29日午後、外国為替市場でドル/円が乱高下し、市場で介入観測が広がったたことについて、「為替介入の有無については申し上げない」と述べた。過度な変動による悪影響は「看過しがたい」とし、「必要に応じて適切な対応をする」と語った。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は関係者の話として日本当局が介入したと報じた。

ドル指数は0.31%安の105.63。ユーロ/ドルは0.25%高の1.0719ドル。ポンド/ドルは0.54%高の1.2558ドル。

ドイツ連邦統計庁が29日発表した4月の消費者物価指数(CPI)速報値は欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比2.4%上昇し、伸び率は3月の2.3%を上回った。

スペインの4月のインフレ指標は前年同月比3.4%上昇と市場予想(3.3%上昇)をやや上回った。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが低下した。市場では今週開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)のほか、週内に発表される重要な経済指標が注目されている。

今週は5月3日に労働省が4月の雇用統計を発表。エンジェル・オーク・キャピタル・アドバイザーズ(アトランタ)のポートフォリオ管理・公的戦略責任者、クレイトン・トリック氏は「国債利回りの上昇傾向は依然として続いているが、CPIと個人消費支出(PCE)価格指数の上昇は利回り曲線にすでに完全に反映されている」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)は4月30日─5月1日に開くFOMCで金利据え置きを決定するとの見方が大勢。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で経済見通しについて慎重な姿勢を示し、インフレ高止まりと労働市場の逼迫に関するリスクを指摘すると見られている。  

TDセキュリティーズは「インフレ率は第1・四半期に引き続き予想を上回って上昇したが、労働市場が大幅に減速する兆候は出ていない」とし、「パウエル議長の発言は普段よりも慎重になる」との見方を示した。 

終盤の取引で10年債利回りは4.1ベーシスポイント(bp)低下の4.628%。

30年債利回りは3.2bp低下の4.750%。   

2年債利回りは1.9bp低下の4.980%。   

2年債と10年債の利回り格差はマイナス35.1bp。先週末終盤は33.7bpだった。   

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 続伸。電気自動車(EV)大手テスラやアップルが急伸し、この日の上昇を主導した。市場参加者の関心は週内のFOMCに向けられている。

テスラは15.3%上昇した。中国での自動運転ソフトウエア展開に向けた規制上の重要なハードルを幾つかクリアした。

アップルも2.5%高。オープンAIの人工知能(AI)技術利用について協議を再開したとの報道を受けた。バーンスタインは同社の投資判断を「アウトパフォーム」に引き上げた。

アルファベット、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトなど他の大型株は下落した。エヌビディアは上昇した。

ヘッジファンドのグレート・ヒル・キャピタルのトーマス・ヘイズ氏は、FOMCで利下げが見込まれていないことから、FRBがどの程度タカ派になるかが焦点だと指摘した。

LSEGのデータによると、市場は年内の利下げ幅を35bp程度見込んでいる。年初の予想は約150bpだった。

ドミノ・ピザは5.6%上昇。第1・四半期の既存店売上高が予想を上回ったことが支援材料となった。

ベル・カーブ・トレーディングのチーフマーケットストラテジスト、ビル・ストラズーロ氏は「全体の勢いはまだ上向きだ。企業決算やFOMC、5日の雇用統計など、今週は重要な週だ」と指摘した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 対ユーロでのドル下落を背景に3営業日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比10.50ドル(0.45%)高の1オンス=2357.70 ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 中東情勢の緊迫化に伴う供給不安を背景とした買いが一巡し、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比1.22ドル(1.45%)安の1バレル=82.63ドルだった。7月物は1.10ドル安の82.03ドル。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 156.33/156.    

34

始値 155.88    

高値 156.88      

安値 155.11      

ユーロ/ドル NY終値 1.0719/1.07    

23

始値 1.0716    

高値 1.0729      

安値 1.0691      

         

  米東部時間      

30年債(指標銘柄) 17時05分 92*11.5 4.7305%

0

  前営業日終値 91*19.0 4.7820%  

0

10年債(指標銘柄) 17時05分 95*07.0 4.6115%

0

  前営業日終値 94*25.0 4.6690%  

0

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.5 4.6427%

0

  前営業日終値 99*22.5 4.6920%  

0

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.7 4.9788%

5

  前営業日終値 99*24.5 5.0000%  

0

         

   終値 前日比 %  

ダウ工業株30種 38386.09 +146.43 +0.38

 前営業日終値 38239.66      

ナスダック総合 15983.08 +55.18 +0.35

 前営業日終値 15927.90      

S&P総合500種 5116.17 +16.21 +0.32

 前営業日終値 5099.96      

         

COMEX金 6月限 2357.7 +10.5  

前営業日終値 2347.2      

COMEX銀 5月限 2737.3 +12.1  

前営業日終値 2725.2       

北海ブレント 6月限 88.40 ‐1.10  

前営業日終値 89.50      

米WTI先物 6月限 82.63 ‐1.22  

前営業日終値 83.85      

CRB商品指数 295.2974 ‐1.5383  

前営業日終値 296.8357