Shiho Tanaka

[東京 16日 ロイター] - 林芳正官房長官は16日午前の会見で、この日発表された1─3月期実質国内総生産(GDP)について、足元は特殊要因でマイナス成長となったものの、先行きに関しては賃上げなどにより「緩やかな回復が期待される」と述べた。一方で、資源価格や為替変動が輸入物価の上昇を通じて国内物価を押し上げるリスクには十分注意が必要との見解を示した。

内閣府が16日発表した1─3月期のGDP速報値は前期比0.5%減で、2四半期ぶりにマイナスとなった。年率換算では2.0%減。能登半島地震や一部自動車メーカーの認証不正問題に伴う生産・出荷停止など特殊要因が影響し、個人消費や設備投資が押し下げられた。

林官房長官は、マイナス成長となったことについて「景気の動きによるものとは言えない特殊要因の影響もある」と指摘。先行きは「33年ぶり高水準となった春闘の賃上げや来月から実施される定額減税などの効果が見込まれ、雇用・所得環境が改善する下で(景気は)緩やかな回復が続くと期待される」と述べた。

ただ、資源価格や為替の変動が「輸入物価の上昇を通じて国内物価を押し上げるリスクなどには十分な注意が必要」との認識を示した。

その上で、政府としては賃上げの動きを中小企業や地方まで広げることに加え、定額減税などにより「家計所得の伸びが物価上昇を上回る状況を確実に作り出し、消費を下支えしていく」と語った。

*詳細を追加しました。