Michael S. Derby

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は16日、連邦準備理事会(FRB)の政策金利を現在の水準で維持することが、なお高水準で推移するインフレ率を目標の2%に戻すことにつながると述べた。

講演原稿で「経済がどのように発展しているかについてさらなる証拠が集まる中、金融政策はリスク管理に適した状態にある」と指摘。「経済全体および地域経済にとって最も可能性の高いシナリオは、金融政策の現行の制約的なスタンスが引き続き成長と労働市場の状況を緩和し、この緩和が価格圧力のさらなる緩和に寄与することだ」とし、「インフレは時間の経過とともに進展すると予想しているが、昨年よりも緩やかなペースになるだろう」とした。

また、インフレリスクが高まる一方、成長と雇用の軟化リスクが低下しており、これは好景気下において、FRBが利下げを決定する前にインフレが目標に回帰しているという証拠をさらに求める余地があることを意味していると言及。インフレ抑制の進展が見られないことに「失望している」とし、「2%の物価目標達成には従来の想定よりも時間がかかると今は考えている」とした。

一方、4月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことは歓迎すべきとした。

6月末に退任するメスター氏は、同月半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)まで投票権を持つ。