Makini Brice Andrew Goudsward

[ワシントン 12日 ロイター] - バイデン米大統領の自宅などから副大統領時代の機密文書が見つかった問題を捜査し、バイデン氏の記憶力低下を指摘したハー元特別検察官は12日、下院司法委員会で証言し、大統領の記憶に関する評価は「必要かつ正確で公正だった」と主張した。

訴追を見送った判断については「潔白が証明されたわけではない」と述べ、バイデン氏が副大統領退任後、故意に機密文書を保管していた証拠が捜査で明らかになったと指摘した。

トランプ前大統領は機密文書持ち出しなどで起訴されている。ただバイデン氏と異なり、政府による機密文書回収を阻止しようとしたことを巡り妨害の罪に問われている。

ハー氏は先月、機密文書持ち出しを巡りバイデン氏を刑事訴追しないことを決定。バイデン氏が捜査に協力したことに加え、有罪を立証するのは困難と判断して訴追を見送ったとした上で、訴追されてもバイデン氏は「好意的かつ善意ある、記憶力の悪い高齢者」という印象を陪審員に与える可能性が高いと報告書で述べていた。

ハー氏はバイデン氏の記憶力に言及したことについて、大統領の精神状態が事件に関係していたとして正当性を主張した。

民主党の一部議員は記憶力への言及は不要で不適切だったと指摘。アダム・シフ議員はハー氏が「政治的な選択」をしたと批判した。ハー氏は報告書に政治は一切影響しなかったと反論した。

一方、共和党議員は検察の「二重基準」を非難した。

メリーランド州の元連邦検事だったハー氏は、バイデン氏の機密文書問題を調査するためガーランド司法長官によって特別検察官に任命された。司法省はハー氏の任務が11日に終了したと発表した。