Luc Cohen

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換所大手FTXトレーディングの80億ドル規模の詐欺事件で米ニューヨーク州のマンハッタン地区検察は15日、詐欺罪などで昨年11月に有罪評決を受けた創業者サム・バンクマンフリード被告(32)に対し懲役40―50年が相当との論告求刑を行った。同被告は現在拘置所に収監中。

ニューヨーク州の連邦地裁のルイス・カプラン裁判官は28日に判決を言い渡す予定。バンクマンフリード被告は有罪判決と量刑に対し控訴する方針だ。

論告によると、同被告は依然否認している。検察側は「繰り返し危険を冒して他人の金でギャンブルをしてきた」などと指摘し、FTXへの投資家と、同被告のヘッジファンド「アラメダ・リサーチ」への貸し手が被った損失を補償するために110億ドルの没収を求めた。

その上で検察側は、厳刑を求めた理由として「被告は社会的に何が違法で非倫理的かを知っていたが、独自の価値観と優越感による有害な誇大妄想によって無視した」と述べた。

検察によると、バンクマンフリード被告は顧客資金でカリブ海のバハマにある高級不動産を購入したり、暗号資産(仮想通貨)に緩やかな規制を課すことを支持しそうな米政治家に寄付したりした。これまでに米政界立候補者251人や各種委員会が寄付金約330万ドルを政府に返還したという。この中には民主党のバイデン大統領の陣営と共和党全国委員会が含まれている。