Arathy Somasekhar

[ヒューストン 22日 ロイター] - 米ヒューストンで開かれた国際会議「CERAWEEK」でエネルギー業界幹部らは、価格が低迷している天然ガスについて、液化天然ガス(LNG)プラントの新設によって需要と価格が上昇すると期待を示した。

天然ガス価格は今年、暖冬やLNG施設の停止、予想以上の生産量などを背景に3割程度下落した。太陽光・風力発電の伸びや、米国によるLNG新規輸出許可の一時停止措置もガス需要の見通しに不透明感をもたらしている。

パイプラインやLNG処理施設が新設されれば、米国は現在国内で供給過剰を起こしている天然ガスを輸出するとともに、太陽光・風力発電が成長過程にある間、安定的にエネルギーを供給できる。中国やインドは石炭から天然ガスに電源を転換しつつあり、欧州はロシア産ガスの代替を米国に求めている。

シェブロンの国際探査・生産担当プレジデント、クレイ・ネフ氏は「ガスは今後も重要な役割を果たすだろう。単に過渡期(の燃料)ではなく、今後数十年にわたり行き先になるとみている」と語った。

米国内では人工知能(AI)を支えるデータセンターや暗号資産(仮想通貨)採掘、経済のデジタル化進行に伴う電力供給に取り組む国内電力会社から天然ガス需要が高まる可能性が高い。