[エルサレム/カイロ 1日 ロイター] - イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザで最大のシファ病院での作戦を終了し、撤退したと発表した。跡には破壊された建物とパレスチナ人の遺体が残された。

イスラエル軍は2週間にわたる軍事行動でパレスチナ人武装集団を殺害し、武器や文書を押収したとしている。イスラム組織ハマスと医療スタッフは院内に武装したパレスチナの戦闘員はいないと主張している。

ガザの当局者はイスラエル軍によって処刑された2人の遺体が手錠をかけられた状態で見つかったと述べた。イスラエル軍はブルドーザーで病院の敷地を掘り返し、埋められた遺体を掘り出したという。ロイターは処刑されたのか検証できていない。

イスラエル軍のハガリ報道官は記者団に対し、ハマスのほか、ハマスと共闘する過激派「イスラム聖戦」がシファ病院を主要な作戦本部として利用していたと指摘。「ハマスとイスラム聖戦に打撃を与えたという点で、重要な作戦だった」と述べた。

この作戦で戦闘員200人を殺害し、戦闘員の疑いがある900人以上を拘束したとし、このうち約500人がハマスまたはイスラム聖戦のメンバーと特定されたと明らかにした。

また、イラエル軍が回収した文書でシファ病院がガザ地区北部を支配するための基地として使用されていたことが判明したとしたほか、武器やコンピューター機器に加え、300万ドルを超える現金を回収したとした。

ハガリ氏は、救急患者は作戦実行前に病院から避難していたとし、民間人や患者、医療関係者はイスラエル軍の被害を受けていないと言及。この作戦でイスラエル軍人2人が死亡したことも明らかにした。

ソーシャルメディアに投稿された映像には、外壁の多くが失われ黒焦げになった病院の建物の周りの地面に、汚れた毛布に覆われたパレスチナ人の死体があちこちに置かれている様子が映っていた。ロイターは映像を検証できていない。