[北京/台北 10日 ロイター] - 中国の習近平国家主席と台湾の馬英九前総統は10日、北京で会談した。台湾メディアによると、習氏は両岸の同胞はどちらも中国人と指摘し、「『家国団円(家族と国の再会)』という歴史の大勢を外部の干渉が阻むことはできない」と述べた。

同氏はまた、解けないわだかまりはなく、話し合えない問題はなく、いかなる力も中国と台湾を引き離すことはできないと語った。

今回の会談は、一般的に中国高官が外国首脳と会談を行う人民大会堂で行われた。

習氏は馬氏について、前総統といった呼称を用いず、「馬英九先生(中国語で氏の意味)」と呼び掛けた。

一方、馬氏は、緊張が多くの台湾人を不安に陥れていると指摘。「もし双方の間で戦争が起これば中華民族にとって耐え難いことだ」とし、「両岸の中国人は全ての紛争を平和的に処理し、衝突を回避する十分な知恵を間違いなく持っている」と述べた。

会談について、台湾の対中国政策を主管する大陸委員会は、馬氏が台湾の主権および民主制度を守るという台湾の人々の主張を習氏に伝えなかったことを深く遺憾に思うとし、中国は台湾を威嚇するのをやめ、敬意ある理性的な対話を通じて台湾との相違を解決すべきだと指摘した。

2008年から16年に総統を務めた馬氏は昨年、台湾の元指導者として初めて中国を訪問。今回は2度目の訪中で、習氏との会談が見込まれていた。

15年には現台湾総統の蔡英文氏が当選する直前にシンガポールで習氏と歴史的な首脳会談を行った。

馬氏は台湾の最大野党である国民党に所属しているが、党内で公式の役職には就いていない。

同党は中国との緊密な関係と対話を主張しつつ、中国寄りであることは強く否定している。